重賞ウィナーレポート

2021年03月14日 フィリーズレビュー G2

2021年03月14日 阪神競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シゲルピンクルビー

プロフィール

生年月日
2018年01月26日 03歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
99,229,000円
モーリス
母 (母父)
ムーンライトベイ  by  High Chaparral(IRE)
馬主
森中 蕃
生産者
天羽牧場 (門別)
調教師
渡辺 薫彦
騎手
和田 竜二
  • 母ムーンライトベイと父キズナの当歳
    母ムーンライトベイと父キズナの当歳
  • 天羽牧場
    天羽牧場
  • 看板
    看板
  • シゲルピンクルビーが生まれ育った厩舎
    シゲルピンクルビーが生まれ育った厩舎

 桜花賞(G1)トライアルの第55回報知杯フィリーズレビュー(G2)は3月14日に阪神競馬場で行われ、2019年の桜花賞(G1)2着シゲルピンクダイヤの半妹で、北海道市場セレクションセール取引馬シゲルピンクルビーが、好位グループを見るような位置から最後の直線でしぶとく伸びて先頭ゴールイン。デビュー3戦目で重賞タイトルを手中に、桜花賞(G1)の出走権利を確保した。

 シゲルピンクルビーの生まれ故郷は日高町の天羽牧場。もう間もなく創業50年を迎えようという老舗牧場で、生産一筋の家族経営の牧場だ。「生まれた当歳は1年半しか牧場にいません。そのあと育成所、トレセン、競馬場と進んでいきますがどのステージに行っても携わる皆様に可愛がっていただける馬を送りだしたい」と、馬づくりに真摯に取り組んでいる。これまで、1983年のエリザベス女王杯を勝ったロンググレイスや、1996年の桜花賞馬ファイトガリバー。あるいは目黒記念(G2)やステイヤーズS(G2)に勝ったチャクラなどを送り出している日高の名門牧場だ。とはいえ、生産馬の重賞勝利は、そのチャクラの目黒記念(G2)以来のこと。17年ぶりの重賞勝利に牧場は沸いている。

 天羽真崇(まさたか)さんにお話を伺った。「コロナの関係で入場制限もありましたし、今は種付け、出産の最盛期。レースは自宅のテレビで観戦していました。前走の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)の時も、今回のレースもオーナーの地元でもある阪神競馬場で行われるレースだったので、まずは無事にレースに出て欲しいと思っていました。何しろ、出なきゃ勝てないですから。レースではしぶとく粘ってゴールを切るまで本当に良く頑張ってくれましたね。すごく良かった!嬉しいです」と喜びを表現し、「日高のために頑張っていただいている森中オーナーにとっても、サラブレッドの平地重賞は初めてだそうです。そういう意味でも本当うれしいですし、全ての関係者に感謝し、お礼を申し上げたいと思います」と笑顔を重ねた。

 牧場時代のシゲルピンクルビーは「牝馬らしかぬしっかりした馬からの持ち主で、性格も穏やか。ケガや病気をすることもなく馴致も順調に進みました。1歳の5月まで牧場にいて、7月のセレクションセールに上場させたのですが、ちょうど姉のシゲルピンクダイヤが桜花賞(G1)で2着した直後ということもあって、高い評価をいただきました。よく姉と比較して聞かれますが姉は牝馬らしい馬でしたので全く違うタイプの姉妹です」と話す。

 母ムーンライトベイは、(株)ジェイエスの繁殖セールで購入した。「今年で15歳となりますが、今でも若々しいですし、子煩悩でとても良い母です。今年は父キズナの仔を無事に出産してくれました。母ムーンライトベイは種牡馬の特徴を出すので、モーリスのスピードを受け継いでほしいと願って配合した馬です」とまた笑顔。

 「シゲルピンクルビーには感謝の言葉しかありません。次は、大きな舞台になると思いますが、おそらく長く続くだろう競走生活を無事に走りきって、オーナーのために、そしてファンの皆様のために頑張って欲しいと思っています」と期待に胸を膨らませている。