2021年02月07日 きさらぎ賞 G3
優勝馬:ラーゴム
プロフィール
- 生年月日
- 2018年03月02日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:4戦2勝
- 総収得賞金
- 150,289,000円
- 父
- オルフェーヴル
- 母 (母父)
- シュガーショック(USA) by Candy Ride(ARG)
- 馬主
- 林 正道
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 斉藤 崇史
- 騎手
- 北村 友一
3番人気の支持を集めて出走した、きさらぎ賞(G3)で重賞初制覇を果たしたラーゴム。前走の京都2歳S(G3)でも2着となっていた悔しさを、ここで晴らす形となった。
ラーゴムを育成したのは、ノーザンファーム早来の木村厩舎。育成を手掛けた3歳世代では、グラティアス(京成杯(G3))、ステラヴェローチェ(サウジアラビアRC(G3))に続く重賞馬ともなった。
「イヤリングから来た時から馬格に恵まれていただけでなく、イヤリングの担当者も、オルフェーヴル産駒らしくなく、扱いやすい馬ですと言っていました。確かに扱いやすい馬でしたし、牧場にいた頃は調教でも引っかかるところは無かったです」と話すのは木村浩崇厩舎長。馬体をしっかりとさせるべく、一度、リフレッシュを取り入れた以外は、順調に調教を行っていたラーゴムであったが、昨年の春先に行われた2歳馬取材では、写真や記事で取り上げられることは無かった。
「同じオルフェーヴルの産駒となりますが、育成を手掛けてきたオーソリティと同様に、ラーゴムもまた走りにムラがありました。隣の馬房にいたステラヴェローチェは完成度も高く、取材陣の皆さんにもお勧めしていたのですが、その取材がまだ遅くなっていたのなら、ラーゴムの名前も出していたのかもしれません」
牧場に緑が芽生える頃となってから、ラーゴムの走りは見違えるように良くなっていく。管理をする斉藤崇史調教師は木村厩舎長と旧知の中だったが、牧場に馬を見に来た時にも、互いに「いい馬」と共通の認識を確認しあった。
メイクデビュー阪神を勝利してからはアイビーS、京都2歳S(G3)と続けて2着に入着。好位でレースができる脚質を武器に安定したレースを見せていく。
「競馬場に入ってから幼さを見せ始めたり、調教でも行きたがるようなそぶりを見せたと聞いた時には、正直、驚きました。それでも入厩してからパワーが付いたと聞いていましたし、今回も中間の調整をしてくれていたノーザンファームしがらきのスタッフから状態がいいと言ってましたが、まさかあんなレースになるとは思っていなかったですね」
好発を決めたこのきさらぎ賞(G3)となったが、1000m通過61秒2というスローペースに我慢しきれなくなったように、終始、折り合いを欠いていく。
「あの時には終わったと思いました(笑)。しかも1頭で抜け出してからはフワフワしていたそうですが、それでも勝ちきってくれましたし、後ろから馬が迫ってくると更に伸びていたそうなので、まだまだ本気で走り切ってはいないのかもしれません」
これも、父のオルフェーヴルらしさが出てきたと見るべきなのかもしれないが、同馬のオーナーである林正道氏も、ファンからの「オルフェーヴルを彷彿とさせる」との評価を好意的に受け止めているという。
「電話をさせていただいたのですが、その際、林オーナーが喜んでいられたのも嬉しかったですね。牧場での姿を知っているだけに、今のレースぶりは信じられない思いもしていますが、それでも、これぐらい前向きさが出ている方がいいのかもしれません」
この後は皐月賞(G1)へ直行。初めての中山コースとなるが、三冠制覇を果たした父の背中を追うようなレースを見せてくれそうだ。