重賞ウィナーレポート

2021年02月14日 共同通信杯 G3

2021年02月14日 東京競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エフフォーリア

プロフィール

生年月日
2018年03月10日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
776,636,000円
エピファネイア
母 (母父)
ケイティーズハート  by  ハーツクライ
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
鹿戸 雄一
騎手
横山 武史
  • ダノンザキッドとエフフォーリアは同じ組で調教されていたこともある
    ダノンザキッドとエフフォーリアは同じ組で調教されていたこともある
  • 取材の前日には大雪が降った
    取材の前日には大雪が降った

 昨年は最優秀2歳牡馬のダノンザキッド、最優秀4歳以上牡馬のフィエールマン、最優秀ダートホースのチュウワウィザードと、3頭ものJRA賞受賞馬を送り出したノーザンファーム空港のC-1厩舎。そのダノンザキッドと育成時は共に坂路を駆け上がっていたエフフォーリアが、無傷の3連勝で共同通信杯(G3)を優勝。クラシック戦線に名乗りをあげた。

 こう記すとエフフォーリアは育成時から高い評価を集めていたのではと思いたくもなるところだが、セレクトセールでも高い評価を受けたダノンザキッドが、2歳馬取材でも大きく取り上げられていたのに対し、エフフォーリアはどの媒体にも写真どころか、コメントさえも出ていなかった。

 「馬体の良さは目を引いていましたが、動かしてみるとトモの緩さが目立っていました。順調に調教こそできてはいましたが、パンとしてくるには時間がかかると思っていました」と話すのは高見優也厩舎長。乗り難しさもなく、騎乗スタッフとしてのキャリアが数年という若いスタッフがメインで調教を付けていたほどだった。

 その評価がガラリと変わったのは、メイクデビュー札幌のレースぶり。続く百日草特別でも勝利をあげて、クラシックの注目馬として注目を集めていく。

 「デビューしてから連勝を重ねていった姿には驚かされました。ノーザンファーム天栄のスタッフに話を聞いても、ここまでの活躍をするとは思っていなかったそうですし、この辺の成長力は父エピファネイアなのかもしれません」

 この共同通信杯(G3)でも道中はレースセンスも良く好位を追走。最後の直線では重賞勝ち馬や入着馬たちを向こうに回して先頭に躍り出ると、そのまま後続との差を開いていった。

 「レース当日は厩舎スタッフのみんなと共にレースを見ていました。調教の動きも良かったですし、いい位置でレースをしてくれていると思いました。直線ではふわふわしているようなところも見受けられましたが、それでもゴール板までしっかりと伸びてくれた姿を見て、改めて強くなっていると感じさせられました」

 レースが行われた日は、ほとんどの調教スタッフが出社しており、レースの発走時間は休憩室から声援を送っていたという。

 「メインで乗っていた若いスタッフだけでなく、ほとんどのスタッフが一度は背中に跨ったことのある馬だけに、みんなで喜び合えた重賞制覇となりました。皐月賞(G1)ではダノンザキッドとの対決ともなりますが、エフフォーリア以上と言える成長力も示してくれていますし、どちらかに勝ってもらいたいです」と高見厩舎長は笑顔を浮かべた。