2019年09月26日 園田プリンセスC(GDJ)
優勝馬:スティローザ
プロフィール
- 生年月日
- 2017年02月28日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 19,298,000円
- 父
- トランセンド
- 母 (母父)
- ロサガリカ by フレンチデピュティ(USA)
- 馬主
- (株) Nicks
- 生産者
- 静内山田牧場 (静内)
- 調教師
- 矢野 義幸
- 騎手
- 吉原 寛人
『グランダム・ジャパン2019』2歳シーズンの開幕戦「園田プリンセスカップ(園田)」は、南関東から遠征してきたスティローザが好スタートからハナを奪い、最後まで後続に影を踏ませぬ快走劇でゴール板を駆け抜け、1番人気の支持に応えた。
スティローザの生まれ故郷は、新ひだか町静内の静内山田牧場。2012年のアンタレスステークス(G3)でゴルトブリッツの2着したアイファーソングや、2016年の京成盃グランドマイラーズ(船橋)を制したレガルスイなどの活躍馬を生産。現役馬では、今年8月のBSN賞(新潟)に勝利したアイファーイチオー(牡5歳、栗東・上村洋行厩舎)がダート中距離のオープン馬として気を吐いている。
「園田プリンセスカップはオーナー、矢野調教師とともに、うちの社長(山田裕二さん)が現地で応援していました。私は牧場でテレビ観戦でしたが、強い勝ち方でしたね。初めての長距離輸送でマイナス12キロ、しかも初めての右回りということで心配しましたが、前走が同じ1400m戦で大差勝ちをしていましたので、重賞でも良いレースをしてくれるだろうとは思っていました」とレースを振り返るのは、静内山田牧場の未来の三代目・山田大貴さん。幼少期から愛情を持って育ててきた生産馬の重賞勝利を、我がことのように喜ぶ姿が印象的だ。
「スティローザは生まれた時から体が大きくて、とてもインパクトのある馬でした。食欲も旺盛でどんどん大きくなり、離乳する頃には体高が145cmほどありましたからね。1歳になると脚がすらっと長くなってきて、見栄えのする馬体に成長しました」と話すように、480キロという2歳牝馬らしからぬ堂々とした馬体で今年6月に船橋競馬場でデビュー。「兄姉は気の強いタイプだったのですが、スティローザは生まれた時からおとなしい性格をしていました。そのおっとりした馬が逃げて強いレースをするようになるのですから、わからないものですね(笑)」と、山田さんは満面の笑顔を見せる。スティローザの1歳上には同オーナー、同厩舎のレベルフォー(牡3歳、父リーチザクラウン)がいて、こちらも南関東の短距離路線で3勝を挙げて活躍中だ。
「母のロサガリカはオーナーからの預託馬ですが、重賞を5勝したナターレの1つ上の姉にあたり、2009年の栄冠賞(門別)で3着した素質馬だったんです。オーナーは血統にこだわりを持っている方で、羽田盃を勝ったストゥディウムはルースリンド産駒ですし、うちの生産馬のレガルスイもエイシンサンディ産駒。スティローザの父トランセンドも初年度産駒がデビューする前の交配でしたが、何か特別に感じるものがあったんだと思います」と話す。トランセンドは今年7月のハヤテスプリント(盛岡)をケンガイアが制して産駒重賞初勝利。その2か月後にスティローザが園田プリンセスカップに優勝し、種牡馬としても勢いに乗ってきた。
今年、ロサガリカは父トーホウジャッカルの元気な牡馬を出産。お腹の中には父スマートファルコンの仔が宿っているそうだ。「今年の当歳馬の父はレベルフォーと同じスペシャルウィーク系の種牡馬なので、脚長ですらっとしたバランスの良い馬体をしています。お腹の仔は来年の3月7日が出産予定日なのですが、父がスマートファルコンに変わってどんな仔が出るか楽しみにしています」と、弟やお腹の仔にも期待を寄せている。
「オーナーからはグランダム・ジャパンシリーズを狙ったローテーションを組んでいくと聞いていますので、2歳チャンピオンになれるように頑張ってほしいと思います」とエールを送る山田さん。快速を飛ばしてダート競馬の一時代を築いたトランセンドの代表産駒となれるよう、まずはグランダム・ジャパン2歳女王の座をしっかりとつかみ獲ってほしい。