重賞ウィナーレポート

2019年08月18日 札幌記念 G2

2019年08月18日 札幌競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ブラストワンピース

プロフィール

生年月日
2015年04月02日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:10戦6勝
総収得賞金
589,421,000円
ハービンジャー(GB)
母 (母父)
ツルマルワンピース  by  キングカメハメハ
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
大竹 正博
騎手
川田 将雅
  • 来たるべき凱旋門賞へ向けて、強さを証明した一戦となった
    来たるべき凱旋門賞へ向けて、強さを証明した一戦となった
  • 口取り式には多くの関係者が並んだ
    口取り式には多くの関係者が並んだ
  • この秋のG1レースも沸かせてくれそうな、R厩舎の育成馬たち
    この秋のG1レースも沸かせてくれそうな、R厩舎の育成馬たち

 4頭のG1馬に代表されるように、豪華なメンバーが揃った今年の札幌記念(G2)。また、この日はJRAの年間プロモーションキャラクターを務めている、俳優の松坂桃李さんも来場したこともあり、今年の札幌開催では最多となる3万5,419名が競馬場に足を運んだ。

 その多くのファンの目の前で、昨年の有馬記念(G1)以来の勝利を果たしたのがブラストワンピースである。

 「G1級のメンバーが揃っただけでなく、レース前に大竹先生も話していたように、小回りの競馬場でどんなレースをしてくれるのかとの思いもありました」と話してくれたのは、騎乗育成を手がけた佐々木淳吏厩舎長。1枠1番はこれまで2戦2勝という「内枠巧者」でもあったが、中団にポジションを構えたものの、内枠が仇となったかのように、馬群の中でのレースが続いていく。

 「4コーナーを回った時は負けたと思いました。それでも前が開いてくれることを信じていました」(佐々木厩舎長)

 最後の直線、先に抜け出したサングレーザーを、ワグネリアンも追いかけにかかったときに、ようやくビクトリーロードが開ける。その隙間に鞍上の川田騎手が進路を向けると、ブラストワンピースは力強く前を行く2頭を交わしにかかった。

 「進路ができた時は『ヨシ!』という気持ちでした。あの位置からなら交わせると思ったのですが、サングレーザーもワグネリアンも自分のレースをしていましたし、後ろからはフィエールマンも迫っていたのを見ていたので、何とか交わしてくれと祈っていました」(佐々木厩舎長)

 G1馬4頭と、昨年の札幌記念(G2)優勝馬が掲示板を占めたレースで、1着の数字としてあがったのは1番の数字。2着のサングレーザーとの差は僅かクビ差だったが、それ以上の強さをブラストワンピースが示した形ともなった。

 レース後、ブラストワンピースの強さに浸っていた佐々木厩舎長は、ある光景に胸を打たれる。口取り式から戻ってきたブラストワンピースを出迎えたのは、前走の目黒記念(G2)までコンビを組んでいた池添騎手。池添騎手は良くやったと労うかのように、ブラストワンピースの顔を優しく撫でていた。

 「池添騎手の姿に心を打たれました。ホースマンとして尊敬に値する行為でしたし、池添騎手にそこまで思ってもらえるような馬に携わってこられたことは、自分にとっても誇りとなりました」(佐々木厩舎長)

 レース後、関係者からは改めて「凱旋門賞(G1)」をこの秋の最大目標とすることが、取材陣に告げられた。

 「ブラストワンピースが凱旋門賞(G1)に挑戦となると、育成馬では3頭目(サトノダイヤモンド、サトノノブレス)となります。この仕事をしている以上、凱旋門賞(G1)は目標とすべきレースですし、父ハービンジャーという血統的にも欧州の舞台はあっているはず。何とかいい結果を残してもらいたいです」(佐々木厩舎長)

 世界の競馬ファンが注目する凱旋門賞(G1)で、ブラストワンピースが日本競馬の悲願を果たしてくれることを期待したい。