重賞ウィナーレポート

2019年07月14日 函館記念 G3

2019年07月14日 函館競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マイスタイル

プロフィール

生年月日
2014年04月01日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:21戦5勝
総収得賞金
244,240,000円
ハーツクライ
母 (母父)
ファーストナイナー  by  フォーティナイナー(USA)
馬主
寺田 千代乃
生産者
猪野毛牧場 (三石)
調教師
昆 貢
騎手
田中 勝春
  • マイスタイルが育った厩舎
    マイスタイルが育った厩舎
  • 障害で活躍したマサノブルースの妹、マサノジュエリー
    障害で活躍したマサノブルースの妹、マサノジュエリー
  • 猪野毛牧場の看板
    猪野毛牧場の看板
  • 母ファーストナイナー
    母ファーストナイナー
  • 母ファーストナイナーと父ハーツクライの当歳の妹
    母ファーストナイナーと父ハーツクライの当歳の妹

 函館開催を締めくくる「第55回函館記念(G3)」は新ひだか町の猪野毛牧場生産のマイスタイルが逃げ切り勝ち。早くから頭角をあらわし、これまで重賞競走で2着3回3着1回。ダービー(G1)4着と大きな舞台で惜敗を繰り返してきた素質馬が、21戦目で嬉しいグレードレース初勝利となった。

 前哨戦の巴賞は休み明けでプラス16キロの馬体重。おまけに58キロを背負い、レース中は不利もあった。人気を裏切る9着だったにも関わらずに、ファンはマイスタイルを1番人気へと押し上げていた。

 この日、猪野毛牧場の猪野毛雅人代表は函館競馬場へと応援に出かけた。「今回騎乗してくれる田中勝春騎手は、同じ新ひだか町の出身で、彼が子供の頃から良く知る周知の仲。マイスタイルのことを気にかけてくれるような発言もとても嬉しかった」とレース前から楽しみにしていたそうだ。

 田中騎手が手綱をとった昨年の函館競馬は2戦2勝。そんな相性の良さも手伝って、マイペースの逃げに持ち込んだマイスタイルは、猛追する2着馬を抑え込んで嬉しい先頭ゴールインを果たした。

 「1度は交わされそうになったようにも見えましたが、本当に良く頑張ってくれました。前走からブリンカーを装着するなど厩舎の方々もこの馬のために頑張ってくれましたし、田中騎手の思い切りの良い騎乗も、この結果に結びついていると思います。今まで悔しい思いを重ねてきたオーナーも喜んでくれていると思います」と相好を崩している。この勝利で、田中勝春ジョッキーはJRA重賞50勝目。メモリアル勝利に「これも何かの縁かもしれない」と目尻を下げている。

 牧場時代のマイスタイルは、なかなかのやんちゃだったそうだ。「母のファーストナイナーも当牧場の生産馬です。米国の名牝レディーズシークレットにさかのぼる名血で、父はフォーティナイナー。2勝をあげて、牧場に戻った馬です。母親は大人しい馬なのですが、マイスタイルは気の強い馬でした。ハーツクライの気の強さなのだと思います。今年も同じハーツクライ産駒の牝馬が生まれているのですが、この馬もなかなかの気性の持ち主」とのこと。元気に放牧地を走る母仔にも頼もしさを感じている。

 「生産者ができることというのは限られています。とにかく、馬をよく観察し、少しの変化も見逃さないこと。小さなケガが大きなケガに繋がることもありますし、馬を見ることで自分たちも馬を理解することができる」と述べ、マイスタイルに関しては「これからも、ケガなく丈夫に頑張って欲しい。自分も馬から勇気をもらったような気持ちです」と喜びを表現している。