重賞ウイナーレポート

2019年06月09日 佐賀ヴィーナスC(GDJ)

2019年06月09日 佐賀競馬場 曇 良 ダ 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ハッピーハッピー

プロフィール

生年月日
2015年05月08日 04歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:15戦11勝
総収得賞金
8,030,000円
シニスターミニスター(USA)
母 (母父)
ホッコーユニバース by アグネスタキオン
馬主
井堀 一男
生産者
高昭牧場 (荻伏)
調教師
矢野 久美
騎手
鮫島 克也
  • ハッピーハッピーの母ホッコーユニバース(9歳)
    ハッピーハッピーの母ホッコーユニバース(9歳)
  • ホッコーユニバースは父アグネスタキオン、母の父ストームキャットの良血馬
    ホッコーユニバースは父アグネスタキオン、母の父ストームキャットの良血馬
  • 高昭牧場の放牧地
    高昭牧場の放牧地

 『グランダム・シャパン(GDJ)2019』古馬シーズンのオープニングレースは、今年も佐賀競馬場の「佐賀ヴィーナスカップ」。2017年のGDJ3歳シーズンでチャンピオンに輝いたステップオブダンスを筆頭に、南関東から4頭、兵庫から1頭の遠征馬が参戦してきたが、1番人気の支持を得たのは地元・佐賀所属のハッピーハッピー。昨年夏にJRAから佐賀へ移籍し、破竹の10連勝でこの舞台へと挑んできた。そしてレースでは2番手追走から3~4コーナーで早くも先頭に立ち、直後をピッタリとマークしてきたステップオブダンスとの一騎打ちに。2頭がほぼ並んでゴール板を駆け抜けたが、写真判定の結果、ハッピーハッピーがハナ差だけ先着。初重賞のタイトルを獲得するとともに、連勝記録を「11」に伸ばした。

 ハッピーハッピーの生まれ故郷は、浦河町の高昭牧場。6年前にオークス(G1)、秋華賞(G1)、エリザベス女王杯(G1)の変則牝馬三冠をなし遂げたメイショウマンボの生産牧場として一躍脚光を浴びたが、その歴史は古く、1981年のエリザベス女王杯を制したアグネステスコなどの活躍馬を送り出してきた。近年は生産から育成までを手掛ける総合牧場として規模を広げ、85頭もの繁殖牝馬を繋養。その中から、今年のラジオNIKKEI賞(G3)に優勝したブレイキングドーンなどが生まれている。

 「ハッピーハッピーはもともと、うちの牧場の所有馬としてJRAデビューしたのですが、脚元に不安を抱えてなかなか順調に使えず、成績も伴わなかったので手放すことになったんです。すると、馬が変わったように11連勝でしょ。ビックリしますよね(笑)。もったいなかったという声もありますが、オーナーや環境が変われば突然馬が走るようになるというのはよくあることで、オーナーさんにとってもハッピーハッピーにとっても、佐賀への移籍は名前の通り幸せだったのではないでしょうか」と話すのは、高昭牧場の専務・上山貴永(たかひさ)さん。貴永さんは上山泰憲社長のご子息で、将来は高昭牧場の三代目として牧場を背負っていく存在だ。

 「ハッピーハッピーの母ホッコーユニバースもうちの牧場の生産馬ですが、ストームキャットの肌にアグネスタキオンという良血なので競走馬としても期待はしていたんです。結局、勝つことはできませんでしたが、1歳上の半姉ウイングザムーン(父アドマイヤムーン)がJRAで6勝を挙げたオープン馬ですからね。繁殖として良い仔を出してくれるのではないかと思っていたところ、初仔のハッピーハッピーがこれだけ活躍してくれて、やはり走る血統なんだなと再確認できました」と母馬の経歴を紹介してくれた。ちなみにホッコーユニバースの半姉ウイングザムーンも高昭牧場で繁殖入りしており、今年生んだ牝馬(父ドゥラメンテ)は7月のセレクトセール当歳市場にて2376万円(税込)の高額で落札されている。

 ハッピーハッピーの父シニスターミニスターについて伺うと、「産駒がダートで安定した成績をおさめていますので、安心して種付けできますね。サウスヴィグラス亡きあと、日高生産者の期待を背負っている種牡馬の1頭だと思います。うちの牧場でも、毎年1頭は種付けしています」と明かしてくれた。ダートG1戦線を長く沸かせて今年から種牡馬となったインカンテーションはその代表産駒だが、今年に入ってもゴールドクイーンがかきつばた記念(Jpn3)、ヤマニンアンプリメが北海道スプリントカップ(Jpn3)を制するなど、牝馬の産駒が牡馬混合の交流重賞で気を吐いている。

 ホッコーユニバースは昨年、今年と残念ながら不受胎だったが、ハッピーハッピーの1歳下には高昭牧場のオーナーブリーディングホースとしてルンルンキャット(牝3歳、栗東・高柳大輔厩舎、父キングヘイロー)がいて、今年5月の未勝利戦を勝ち上がっている。2歳下の牡馬(父シンボリクリスエス)は昨年のセレクションセールにて1080万円(税込)で落札され、シンゼンウイングと名付けられて栗東・飯田祐史厩舎からデビュー予定。現1歳の牡馬(父パイロ)も、すでに買い手がついているそうだ。

 最後に上山泰憲社長が、生産の仕事について語ってくれた。「我々生産者の1番の仕事は、オーナーに喜んでいただくことなんです。そうして得た信頼関係が、また次のつながりを生み出してくれる。その積み重ねだと思います」。オーナーも、馬自身も、応援するファンもみんな幸せな気持ちになれる。そんな走りを、今後のハッピーハッピーには期待したい。