重賞ウィナーレポート

2019年05月06日 かしわ記念(中央交流) Jpn1

2019年05月06日 船橋競馬場 晴 稍重 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ゴールドドリーム

プロフィール

生年月日
2013年04月19日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:19戦9勝
総収得賞金
707,647,000円
ゴールドアリュール
母 (母父)
モンヴェール  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
吉田 勝己
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
平田 修
騎手
C.ルメール
  • 世代を問わず、G1出走馬を送り出しているR厩舎
    世代を問わず、G1出走馬を送り出しているR厩舎
  • この春のG1戦線もノーザンファーム生産、育成馬が主役を務めている
    この春のG1戦線もノーザンファーム生産、育成馬が主役を務めている

 リベンジの舞台は、昨年、勝利をあげた船橋の地だった。

 フェブラリーS(G1)の上位2頭の再戦となった、今年のかしわ記念(Jpn1)。単勝オッズはそのフェブラリーS(G1)を制したインティが1.6倍、2着のゴールドドリームが1.9倍と人気を分け合う中で、直線でのマッチレースを制したのは、昨年に続く連覇となったゴールドドリームだった。

 「昨年の帝王賞(Jpn1)以来2着が続いていたのは、この馬に携わった人間としても悔しい思いをしていました。走りを見ても能力的な衰えは感じられませんでしたし、それだけに強い競馬をしながらも結果に結びつかなかったことには、もどかしさもありました」と話すのは、育成を手がけたノーザンファーム空港の佐々木淳吏厩舎長。その佐々木厩舎長の話す通りに、帝王賞(Jpn1)の後はマイルChS南部杯(Jpn1)(ルヴァンスレーヴ)、東京大賞典(G1)(オメガパフューム)、そしてフェブラリーS(G1)と惜敗が続いていた。それも影響したのかフェブラリーS(G1)に続いて、このかしわ記念(Jpn1)でもインティに一番人気を譲っていた。

 だが、この船橋の地で行われるレースに、佐々木厩舎長はある光明を見いだしていた。

 「前走のレースを見てもインティが強い馬であることは間違いありません。ただ、砂が深くて、時計勝負にならないような舞台である船橋競馬場ならば、付けいる隙はあるのではと思っていました」(佐々木厩舎長)

 レースの主導権を握るかと思われていたインティだが、ハナを奪ったのは中央のドリームキラリ。2番手には船橋のコウエイエンブレムが付け、インティは3番手からレースを進めて行くも、そのすぐ後ろに位置していたのがゴールドドリームだった。

 「インティのすぐ後ろを取れたことも含めて、道中は上手く立ち回っているような印象を受けました。直線に向いたときには『これは行けるかも!』と思った一方で、フェブラリーS(G1)のように、そのままゴール板まで押し切られるのではとの考えも頭をよぎりました」(佐々木厩舎長)

 残り100mでもインティが逃げ粘る。だがそこから、もう一つギアが入ったかのような加速を見せたゴールドドリームは、一気にインティを交わしさって行った。

 「勝てると思ったのは、ゴール板のほんの手前に入ってからでした。ゴールドドリームは抜け出すとソラを使うような一面もあるだけに、ジョッキーが脚を測りながら、最高のタイミングで仕掛けてくれたと思います」(佐々木厩舎長)

 この勝利で昨年に続く連覇ともなったが、これはエスポワールシチー、コパノリッキーに続く、史上3頭目の快挙。日本ダート界を代表する名馬の記録に並んだことで、改めてゴールドドリームの能力の高さが証明されることにもなった。

 「インティも負けて強しと言えるレースでしたが、まだまだダートのチャンピオンホースの座は譲れないということを、この結果で証明してくれたと思います。これだけの馬に携われたのは本当に幸せなことですし、ゴールドドリームにはここまで強くなってくれてありがとう、と感謝したいですね」(佐々木厩舎長)

 実際にゴールドドリームの成長は、これまで不得手としてきた小回りの競馬で、安定した結果を残せるようになったことや、苦手としてきたスタートを克服してきたことにも現れている。このかしわ記念(Jpn1)で見せた末脚からしても、6歳を迎えた今こそが競走馬としてのピークを迎えたとも言えるのではないだろうか。

 次走は帝王賞(Jpn1)を予定。こちらも昨年に続く連覇がかかるレースとなるが、このレースにはインティだけでなく、ルヴァンスレーヴ、オメガパフュームも出走を予定している。

 「帝王賞(Jpn1)はインティとの再々戦になるだけでなく、ルヴァンスレーヴやオメガパフュームへのリベンジの舞台ともなります。将来は種牡馬となる馬だと思っていますし、これだけの強いメンバーを相手に勝利することができたのなら、更に種牡馬としての価値は上がってくるはずですし、最高の結果を期待しています」(佐々木厩舎長)