2017年04月18日 東海クイーンC(GDJ)
優勝馬:メモリーミラクル
プロフィール
- 生年月日
- 2014年02月22日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:13戦5勝
- 総収得賞金
- 12,574,000円
- 母 (母父)
- メモリービジュアル by サクラバクシンオー
- 馬主
- (株) シンザンクラブ
- 生産者
- 谷川牧場 (浦河)
- 調教師
- 塚田 隆男
- 騎手
- 友森 翔太郎
『グランダム・ジャパン2017』3歳シーズンの第4戦「東海クイーンカップ(名古屋)」は、6番人気のメモリーミラクル(愛知)が逃げ切り勝ち。好スタートから楽に先手を奪うと、ゴールまで後続を寄せ付けない完勝で、2月の「スプリングカップ(名古屋)」につづく地元重賞2勝目を挙げた。
メモリーミラクルの生まれ故郷は、浦河町の谷川牧場。古くは1973年の日本ダービー馬タケホープ、1981年の菊花賞馬ミナガワマンナ、1994年のオークス馬チョウカイキャロルなどのクラシックホースを生産。記憶に新しいところでは、ダートG1(Jpn1含む)3勝のサクセスブロッケンや、ダート重賞4勝を挙げて活躍中の現役馬インカンテーションなども同牧場の出身で、今年も皐月賞(G1)で牝馬ながらに堂々の1番人気に支持されたファンディーナの生まれ故郷として大きな話題となった名門牧場だ。
「実は、メモリーミラクルとファンディーナは同じ放牧地で育ったんです。傾斜のある広い放牧地なんですが、そこで育った馬からオープンクラスの馬がたくさん出ているんですよ。その年は14頭の群だったのですが、メモリーミラクルがボス的存在でした」と話すのは、(有)谷川牧場の代表取締役・谷川貴英さん。「メモリーミラクルは生まれつき脚が内向していたのですが、本当にレースでよく頑張っていますね。調教師や厩務員の腕が確かな証拠だと思います」と愛馬の活躍と厩舎スタッフの親身なケアに感心する。
メモリーミラクルの母メモリービジュアルも、ここ谷川牧場で生まれたサクラバクシンオー産駒。そもそもこの牝系は、メモリーミラクルの祖母にあたるシルカズギフトを(株)シンザンクラブがイギリスから繁殖牝馬として輸入し、谷川牧場へ預託したことに端を発する。「シンザンクラブさん(橋元オーナー)とは、うちの牧場でシンザンを種牡馬として繋養する前からのお付き合いです。この牝系から活躍馬が出てくれて嬉しいですね」と笑顔を見せる谷川さん。「母のメモリービジュアルも期待の大きな馬だったんですが、蹄に難があって満足な調教ができず、未勝利のまま繁殖牝馬となったんです」と、その経緯について話してくれた。そしてサクラバクシンオー産駒の母にキンシャサノキセキを交配した理由について、「オーナーが名古屋の方なんですが、中京競馬場で行われる高松宮記念(G1)に対する思いがすごく強いんですよ。スプリントG1を勝てる馬をつくりたいということで、スピード馬同士の配合になりました」と、メモリーミラクルが誕生した背景についても明かしてくれた。
母メモリービジュアルは昨年空胎だったが、今年はディープブリランテを交配。そして現2歳には父ケイムホームの牝馬、現1歳には父ブラックタイドの牡馬がいる。「2歳の牝馬はメモリーミラクルと同じ名古屋競馬でデビューする予定です。1歳の牡馬は馬体も動きも素晴らしく、中央でオープンクラスまで行けるのではと期待しています」と、妹弟たちの未来にも夢を膨らませる。
「メモリーミラクルはまだ3歳ですし、将来できれば中央のレースにも挑戦してほしいですね。そして無事に牧場へ戻り、血をつないでいってくれると嬉しいです」と愛馬にエールを送る谷川さん。ファンディーナとともに幼少期を過ごしたボス馬が、今後どんなミラクルを起こしてくれるか楽しみだ。