2017年03月29日 桜花賞(GDJ)
優勝馬:スターインパルス
プロフィール
- 生年月日
- 2014年04月14日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:11戦5勝
- 総収得賞金
- 40,155,000円
- 母 (母父)
- コパノジャーノー by エリシオ(FR)
- 馬主
- 坂本 順子
- 生産者
- 西村 和夫 (静内)
- 調教師
- 小久保 智
- 騎手
- 石崎 駿
『グランダム・ジャパン2017』3歳シーズンの第2戦「桜花賞(浦和)」は、3番人気のスターインパルスが鮮やかな逃げ切り勝ち。好スタートから先手を奪うと、楽な手応えで4コーナーをまわり、最後の直線では後続を4馬身引き離す快勝。2歳時のプリンセスカップ(水沢)につづく重賞2勝目を飾り、見事に南関東牝馬クラシック一冠目のタイトルを奪取した。
スターインパルスの生まれ故郷は、新ひだか町静内の西村牧場。牧場の紹介やスターインパルスの幼少期に関する話はプリンセスカップ優勝時のレポート(https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_87340)をご覧いただくとして、今回は桜花賞優勝の喜びと、生まれたばかりのスターインパルスの半弟について、代表の西村和夫さんにお伺いしてきた。
「桜花賞は平日だったので、しずない農業協同組合の理事長室でレースを観ていました。枠もよかったですし、ある程度期待はしていたのですが、グランド牧場さんの強い馬(アップトゥユー)がいましたからね。あれほど完璧な勝ち方をするとは驚きでした」とレースを振り返り、「これまで知り合いの牧場さんの生産馬を祝ってばかりだったのですが、ここぞとばかりにたくさんのお祝いをいただきましたよ(笑)」と笑顔を見せる。
「それにしても小久保厩舎は、本番に向けて馬をつくるのが上手いですね。テレビ画面を通してですが、きっちり仕上がっている様子が窺えました」と今年も南関東のリーディングを独走する調教師の手腕に感心し、10年ぶりとなる地元・浦和競馬所属馬の桜花賞優勝を喜ぶ。
スターインパルスの母コパノジャーノーは今年5月12日、父エスポワールシチーの元気な牡馬を出産した。「出産予定日よりかなり遅れたので心配したのですが、無事に生まれてくれてホッとしました」と安堵の表情を浮かべる西村さん。取材に訪れたのは5月20日だったのだが、「生まれて1週間には見えないでしょ?」と、骨格のしっかりとした仔馬の姿を惚れ惚れと見つめる。「もともとコパノジャーノーは大きな仔を産む母馬なのですが、スターインパルスだけがなぜか小柄だったんですよね。大型でパワーとスピードを兼ね備えたエスポワールシチーの種牡馬としての能力に期待して交配したのですが、思い描いた通りの立派な馬体で生まれてきてくれました」と話し、桜花賞馬の弟の未来に期待を懸ける。
「サウスヴィグラスとの交配で初仔のタイヨウガデテキタが南関東で7勝、そしてスターインパルスが南関東牝馬クラシック制覇と活躍してくれたので、今年はもう一度、サウスヴィグラスを種付けしようと思っています」と、今年のコパノジャーノーの配合相手についても教えてくれた。
西村さんは、今年のJRA桜花賞(G1)優勝馬レーヌミノルの生産牧場・フジワラファームとも親しくご近所ついあいをしている。「ご近所でダブルの桜花賞制覇ですね」と話を向けると、「あちらは中央ですから、いっしょにしたら怒られますよ(笑)」と笑うが、スターインパルスの勝ちっぷりは、近年の桜花賞でも屈指のインパクトを残すレース内容だったといえるだろう。
「これからも元気にレースをつづけてほしいです」とスターインパルスにエールを送る西村さんの表情からは、しずない農業協同組合理事長として忙しい毎日を送る中にも、生産者としての愛馬に対する深い愛情が感じられた。