重賞ウィナーレポート

2016年04月09日 NZトロフィー G2

2016年04月09日 中山競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダンツプリウス

プロフィール

生年月日
2013年03月01日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:10戦3勝
総収得賞金
137,480,000円
ブライアンズタイム(USA)
母 (母父)
ストロングレダ  by  マンハッタンカフェ
馬主
山元 哲二
生産者
千代田牧場 (静内)
調教師
山内 研二
騎手
丸山 元気

 NHKマイルカップ(G1)への重要なG2競走「第34回ニュージーランドトロフィー(G2)」は、先行グループを見るような位置で競馬を進めた2番人気のダンツプリウスが最後の直線で早め先頭から後続の追撃を退けて優勝。デビュー10戦目の重賞初Vで、大目標へむけて力強い一歩を踏み出した。

 ダンツプリウスは新ひだか町の千代田牧場生産馬。生産から中期育成、調教、休養を行う総合牧場で、その歴史の中でイチフジイサミやニッポーテイオー、スマイルトゥモロー、タレンティドガール、ビクトリアクラウンなどの名馬を送り出し、ホエールキャプチャ、ダノンプラチナといったG1勝馬の生まれ故郷としても記憶に新しい。

 中山競馬場でレースを観戦していたという同牧場の飯田正剛社長は「ダンツプリウスは牧場時代からとにかくタフで、元気の良い馬。セレクションセールにも期待を込めて上場した馬です。今回は4コーナーの手応えから勝利を確信しました。丸山騎手の自信に満ちた騎乗が印象的で、正攻法の競馬で勝ってくれたことに価値があると思います」と09年から途切れることなく続けている生産馬のJRA連続年重賞優勝を「8」に伸ばす勝利に笑顔を広げた。

 「ダンツプリウスの母ストロングレダは、一流の血統背景を持つ馬で、牧場でも期待する繁殖牝馬です。このファミリーから重賞勝馬を出せたことも嬉しいです」。ストロングレダの祖母フェアリーハイツは英国の2歳牝馬G1フィリーズマイル(G1)の勝馬で、牡馬を相手にしたレーシングポストトロフィー(G1)でも2着と健闘した活躍牝馬。そのフェアリーハイツにストームキャット、マンハッタンカフェと米日のチャンピオンサイアーを配合されてうまれたのが本馬の母ストロングレダだ。「ブライアンズタイムを配合したのも、繁殖牝馬としての期待の表れです。配合当時、ブライアンズタイムは27歳という高齢でしたが、こうして結果を残してくれたことも嬉しいです」。

 名種牡馬ブライアンズタイムにとって、今年1月のダンツプリウスのジュニアカップ優勝は、24年、24世代連続となるJRA特別戦勝利。そして今回の勝利でノーザンテーストの26歳を抜く最高齢種牡馬産駒によるJRA重賞勝利となった。

 千代田牧場では、そのブライアンズタイムを積極的に配合してきた。「ブライアンズタイムは、サンデーサイレンスと比肩しうる稀有な存在だったと思います。日高地区繋養種牡馬で“勝負”しようと思ったら、まず最初に頭に浮かぶのがブライアンズタイムでした」。ほんのわずかなラストクロップを残すものの、事実上24年間の種牡馬生活で千代田牧場が生産し、JRAに競走馬登録されたブライアンズタイム産駒は80頭。不受胎や不慮の事故などを併せると、その生涯の中で100頭を超える繁殖牝馬を同馬にもとに送ったことになる。実際、27歳時にもダンツプリウス含め3頭の産駒を得ている。「言うまでもなく日高地区に活気をもたらしてくれた種牡馬ですし、当牧場にもバーディバーディやボールドブライアン、ドラゴンファイヤーといった活躍馬をもたらし、繁殖牝馬の父としてスティールパス、トレンドハンターなど送り出してくれました。ダンツプリウスには、父親のように息の長い活躍を期待したいです」と生産馬の活躍を喜ぶとともに生涯現役を貫き通し、28歳で天寿を全うした名馬を偲んでいる。