重賞ウイナーレポート

2015年11月17日 ローレル賞(GDJ)

2015年11月17日 川崎競馬場 雨 重 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:モダンウーマン

プロフィール

生年月日
2013年04月07日 02歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:7戦4勝
総収得賞金
90,000,000円
サウスヴィグラス(USA)
母 (母父)
スマートダズル by スマートボーイ
馬主
(有) グランド牧場
生産者
グランド牧場 (静内)
調教師
角川 秀樹
騎手
阿部 龍
  • 美しく整備されたグランド牧場のエントランス
    美しく整備されたグランド牧場のエントランス
  • グランド牧場の放牧地
    グランド牧場の放牧地
  • 新ひだか町のアロースタッドで種牡馬生活を送るモダンウーマンの父サウスヴィグラス(19歳)
    新ひだか町のアロースタッドで種牡馬生活を送るモダンウーマンの父サウスヴィグラス(19歳)
  • グランド牧場の厩舎
    グランド牧場の厩舎

 川崎競馬場で行われた『グランダム・ジャパン(GDJ)2015』2歳シーズンの第4戦「ローレル賞」は、地元南関勢11頭にホッカイドウ競馬から参戦の2頭、笠松競馬から1頭を加えた計14頭で覇を競われた。

 雨が降りしきる生憎のコンディションのなか行われたレースは、先手を主張したホッカイドウ競馬所属のモダンウーマンが、単勝1番人気に支持されたスアデラの厳しいマークを最後まで振り切り、8月の「フルールカップ」、9月の「リリーカップ」につづく重賞3勝目を挙げた。今年これまでに行われたGDJ2歳シーズンの4戦すべてをホッカイドウ競馬の所属馬が勝利しており、「2歳馬が強い」といわれる道営勢のレベルの高さが改めて証明された格好だ。

 「前回のエーデルワイス賞(Jpn3)と比べてマイナス18キロという馬体重でしたが、実際に馬体を見た限りでは数字ほど細く感じませんでした。レースでもいったん並ばれそうになりましたが、そこで交わされまいともうひと伸びしてくれましたね。本当に、素晴らしい勝負根性の持ち主です」と愛馬の頑張りを称えるのは、グランド牧場(新ひだか町)の伊藤佳幸社長。当日は歓喜の瞬間を現地で見届けたという。

 同牧場のオーナーブリーダー馬と角川秀樹厩舎とのコンビは、タイニーダンサーと本馬のワンツーフィニッシュを挙げた10月の「エーデルワイス賞(Jpn3)」が記憶に新しいが、今年はこの2頭で実に7つもの重賞タイトルを獲得するという驚異的な成績を挙げている。「この馬にとって初めての長距離輸送ということで、今回は難しい調整過程を強いられたと思いますが、角川先生はレースに向けてしっかりと馬を仕上げてくださいました。この勝利にあたっても、先生と厩舎スタッフの皆さんの尽力が欠かせませんでした」と、伊藤社長は信頼を寄せる陣営に対して賛辞を惜しまない。

 牧場にいた時代のモダンウーマンについては、「幼少の頃から均整の取れた幅のある馬体が非常に目立っていました。お尻が大きくグラマラスで、気性的にも手のかからない仔だったことを覚えています」と振り返る。牧場の大きな期待を受けながら、目立った事故やケガもなく順調に育てられていった。

 モダンウーマンの父サウスヴィグラスは米国産馬で、現役時代は「JBCスプリント(G1)」「根岸ステークス(G3)」などを制し、ダート短距離の舞台で大活躍を見せた。今年は種牡馬として出走回数・勝利数・収得賞金において地方競馬ナンバーワンの座をキープしており(11月19日現在)、いまや押しも押されもせぬ「地方トップサイアー」の地位を不動のものとしている。

 前述したタイニーダンサーも、サウスヴィグラス産駒という共通点を持つ。2頭がめざましい活躍を見せた要因について伊藤社長は、「両馬とも母系にアサティスの血が入っていますが、ラブミーチャン(2009年&2012年NAR年度代表馬)もそうであったように、この系統の肌馬はサウスヴィグラスとニックスになるのでしょうね。アサティスの産駒は気が勝ったタイプになりがちですが、比較的素直な気性のサウスヴィグラスと交配すると、精神面でバランスのとれた仔が出やすいのだと思います」と血統的な背景を分析する。「馬体が比較的大きくパワフルで、人にも従順なのが“走るサウスヴィグラス産駒”の共通点でしょう」とつづけ、長年取り組んできた配合に自信を覗かせる。

 モダンウーマンの母スマートダズルは、父スマートボーイ、母ヨシファンタジアともに同牧場の生産馬である「生粋のグランド牧場血統」だ。モダンウーマンは第2仔にあたり、1歳上の半姉フィーリンググー(父セイントアレックス)も同牧場のオーナーブリーダー馬。フィーリンググーも昨年のスーパーフレッシュチャレンジ競走(門別)を勝利して「2014年2歳勝ち上がり第1号」となったほか、同年のエーデルワイス賞(Jpn3)で4着に好走するなどの活躍を見せた。

 モダンウーマンはすでに川崎・佐々木仁厩舎へ移籍し、今後はGDJ2歳シーズン最終戦「東京2歳優駿牝馬(12月31日、大井競馬場)」へ向けて調整が進められるという。「来春の南関東牝馬クラシック戦線へ向かうためにも、まずは無事にレース当日を迎えてほしいです」と、伊藤社長は新たな活躍の場へ向かった同馬へエールを送る。

 今シーズンも各地の競馬場で所属馬および出身馬が結果を出し、2歳馬戦線における「ホッカイドウ競馬旋風」はとどまるところを知らない。モダンウーマンも同じ牧場・同じ厩舎で切磋琢磨したタイニーダンサーともども、より広いフィールドでの活躍が望まれそうだ。