重賞ウィナーレポート

2015年11月07日 京王杯2歳S G2

2015年11月07日 東京競馬場 曇 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ボールライトニング

プロフィール

生年月日
2013年04月21日 02歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
90,534,000円
ダイワメジャー
母 (母父)
デフィニット(USA)  by  デヒア(USA)
馬主
(株) グリーンファーム
生産者
恵比寿興業株式会社那須野牧場 (栃木)
調教師
宮本 博
騎手
蛯名 正義

 完成度の違いを見せつけたかのような圧巻のレース。今年の京王杯2歳S(G2)を勝利したボールライトニングだが、育成先となったノーザンファーム空港牧場に入厩したのは、1歳の10月に入ってからだった。

 「牧場ではノーザンファームの生産馬だけでなく、他場の生産馬たちの育成も行っていますが、ボールライトニングはその中では遅い方でした。初めて見た印象としてはしっかりとした馬体をしていて、騎乗育成を始めると先に進めていた馬たちのペースにすぐ追いついてくれました」とは、ノーザンファーム空港牧場の島田崇厩舎長。この頃の印象を聞くと、父ダイワメジャーらしい前向きさも見られ、集中力の高さに好印象を持ったとも島田厩舎長は話す。

 2歳を迎えて、更に調教のピッチが上がってきたボールライトニングは、屋内坂路でのトレーニングで更に目覚ましい動きを見せていくが、その源となる馬体の変化も見て取れるように変わって行った。

 「筋肉の発達が目を引き、2歳馬らしくないような逞しささえ感じました。順調に調教も進んでいましたし、管理をする宮本先生とは、一度、7月の上旬に移動させるというプランも持ち上がったほどです」(島田厩舎長)

 その後、暑さを考慮されて、8月下旬まで入厩は先送りになったものの、牧場に到着してから1年も経たずに入厩の話が持ち上がったことからも、ボールライトニングの順調度が見て取れる。

 「行きっぷりもいい馬でしたし、デビュー戦から勝ち負けの競馬ができると思っていました」との島田厩舎長の期待通りに10月のメイクデビュー京都を快勝したボールライトニングは、続く京王杯2歳S(G2)でも2番人気の高評価を与えられる。

 「メイクデビューが強い勝ち方ということで、この京王杯2歳S(G2)も期待していましたが、その期待以上のレースを見せてくれました」(島田厩舎長)

 このレース、大外枠からの出走となったボールライトニングだが、難なく先行勢に取り付いていくと、持ったままで最終コーナーを回っていく。最後の一ハロンで仕掛けられると一気に先頭に立ち、そのままゴール板まで押し切っていく。

 「この日は厩舎スタッフと一緒に休憩所のTVで見ていましたが、抜けだした瞬間はみんなで叫んでいました。育成スタッフとして仕事の充実感を覚えるのはメイクデビューの勝利であり、また、2歳重賞を勝ったときには充実感を越えるような喜びも感じられます。宮本先生、厩舎の皆さんにも、ボールライトニングを通していいバトンを渡せたと思いますし、今後も強いレースを見せてもらいたいです」(島田厩舎長)

 ボールライトニングはこの後、朝日杯FS(G1)への出走を予定。距離はメイクデビュー、そして京王杯2歳S(G2)よりも1ハロン伸びたマイル戦となるが、「乗った印象として距離の不安は感じられませんし、2000mぐらいまでなら十分にこなしてくれると思います」と島田厩舎長は力強く話してくれた。