重賞ウィナーレポート

2015年04月19日 皐月賞 G1

2015年04月19日 中山競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ドゥラメンテ

プロフィール

生年月日
2012年03月22日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:5戦3勝
総収得賞金
516,607,000円
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
堀 宣行
騎手
M.デムーロ

 今年の皐月賞(G1)の勝負どころとなった第4コーナー。まるで集団からはじき出されたように、ドゥラメンテが大きく外へと進路を変えたとき、応援していたファンは天を仰いだに違いない。

 だが、それは圧巻のパフォーマンスへの序章にしか過ぎなかった。並大抵の馬ならば大きなロスになるところを、体勢を立て直したドゥラメンテは、最後の急坂もなんのその、そこから爆発的な末脚を見せる。

 「4コーナーでの動きを見たときには負けを覚悟しました。でも、ゴール板手前で外から伸びてきた馬がドゥラメンテだと確認出来たときには、なんて脚を使っているんだと驚きましたね」と話すのはドゥラメンテを育成した、ノーザンファーム早来牧場の林宏樹厩舎長。この皐月賞(G1)はTV観戦となったが、それだけにドゥラメンテの末脚をはっきりと捕らえることができたという。

 近年の皐月賞馬、というより、近年のG1馬でもここまでの勝ちっぷりを見せた馬はそうはいないが、林厩舎長がドゥラメンテにその可能性を感じ取ったのは、2歳を迎えた8月のことだった。

 「この頃から入厩に向けて、時計を出す調教を始めたのですが、その際、夏の休養に来ていたトーセンスターダムを併せ馬の相手にしました。こちらとしてはクラシックを沸かせた馬から、何か得るものがあればと思っていたのですが、速めの調教になったのにも関わらず、ドゥラメンテはトーセンスターダムと併走しながら坂路を駆け上がっていきました」(林厩舎長)

 その走りに信じられない思いがした林厩舎長は、その次の週にもトーセンスターダムとドゥラメンテの併せ馬を行う。だが、その時もまた、ドゥラメンテは併走していったどころか、終いの切れ味は更に良くなっていた。

 「トップスピードに上がるのが速い馬で、車に例えるなら、3速を入れたつもりが、6速のスピードに達していたという印象もあります。それでいてキャンターでは安定した走りもできているので、だからこそ、爆発的な末脚を使うことができるのでしょう」(林厩舎長)

 初めての右回りとなるこの皐月賞(G1)では、反応の良さも相成って、他馬に迷惑をかけることにはなったが、左回りでは4戦2勝2着2回というほぼ完璧な成績。それだけに二冠がかかる日本ダービー(G1)では、皐月賞(G1)以上に圧巻のパフォーマンスを見せてくれるのではという期待も大きい。

 「元々、ダービー(G1)向きだと思っていましたし、左回りなら、スムーズに競馬もできると思います。レースは相手があってのことであり、ゲートが開いてみないと分かりませんが、それでも能力、そして血統共に期待をかけたくなりますね」(林厩舎長)

 曽祖母ダイナカールと、祖母エアグルーヴは日本ダービー(G1)と同じ舞台で行われるオークス(G1)の勝ち馬。ドゥラメンテのDNAに刻み込まれた真の能力が発揮されるのは、やはり東京競馬場の芝2400mとなりそうだ。