2014年10月02日 Lプレリュード(中央交流) Jpn2
優勝馬:ワイルドフラッパー
プロフィール
- 生年月日
- 2009年05月12日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:19戦8勝
- 総収得賞金
- 200,020,000円
- 父
- Ghostzapper(USA)
- 母 (母父)
- スモークンフローリック(USA) by Smoke Glacken(USA)
- 馬主
- 吉田 照哉
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 松田 國英
- 騎手
- 蛯名 正義
『グランダム・ジャパン2014』古馬シリーズの最終戦「レディスプレリュード(Jpn2)」を、1番人気ワイルドフラッパーが快勝。前走の「ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)」では、単勝1.1倍の圧倒的な1番人気に支持されながらサンビスタの2着に敗れてしまったが、今回のレースでその借りをきっちりと返し、大一番「JBCレディスクラシック(Jpn1)」へ向けて大きな弾みをつけた。
ワイルドフラッパーの生まれ故郷は、北海道千歳市の社台ファーム。父母ともにアメリカで競走生活を送り、現地で繁殖入りした馬だが、米G1 4勝馬ゴーストザッパーの仔を宿した母が日本へ輸入され、社台ファームで初めて産み落とした仔がワイルドフラッパーだった。
「5月12日生まれと、同世代の中では若干遅生まれでした。ただ生まれた時から馬体の良さは目立っており、気性も落ち着いていて、大物感を漂わせていました」と話すのは、社台ファームの吉田哲哉さん。
1歳の秋を迎え、本格的な騎乗育成へ入ったワイルドフラッパー。馴致への物覚えも良く、その頃にはコースで走らせると前進気勢も見られるようになったという。「高いスピード能力の片鱗を見せ始めたのは、1歳の12月頃からです。年が明けて2歳になると敏捷性も加わり、『これはかなりのところまで行けるのでは…』とスタッフのみんなで話していました」と、吉田さんは当時を振り返る。
社台ファームのダートコースは、砂の深さが20㎝もある。調整にやってきたオープン馬でも、走り慣れないとまったくスピードに乗らないほどの負荷がかかるのだが、2歳を迎えたワイルドフラッパーは、その深い砂の上を軽々と走ってきたそうだ。ダート競馬への適性は、その当時から証明されていた。
ワイルドフラッパーの母スモークンフローリックは、アメリカのG2レースを2勝、G3レースを4勝し、G1のスピナウェイS(G1)で2着したこともある活躍馬。生涯33戦9勝の戦績を残して繁殖入りしたが、そのタフさはワイルドフラッパーにも遺伝したようだ。
昨年秋にオープンまでクラスを上げ、年が明けた今年5歳になって地方交流重賞へ矛先を向けたワイルドフラッパーは、1月のTCK女王盃((Jpn3)、大井)、3月のエンプレス杯((Jpn2)、川崎)、4月のマリーンC((Jpn3)、船橋)と南関東の牝馬ダートグレードを皆勤し、2着、1着、1着。5月の平安S((G3)、京都)で牡馬に混じって3着に入る健闘を見せると、8月には門別へ遠征、そして今回の大井と、休みなくコンスタントに好走をつづけている。その中でも吉田さんは、マリーンC(Jpn3)のレースぶりが強く印象に残っているそうだ。「マリーンC(Jpn3)はワイルドフラッパーにとって、ベストパフォーマンスと言える内容のレースだったと思います。この勝利で、牝馬同士では抜けた存在であることを確信しました」と明言。レディスプレリュード(Jpn2)も強い内容だったように見えるが、ワイルドフラッパー本来のパフォーマンスは、まだまだ上のレベルにあると吉田さんは力強く話す。
「母が勝てなかったG1レースを娘が勝利するとは出来過ぎのような気もしますが、充分にチャンスがあると思っています。これまでのレースでもファンの皆さんからたくさんの声援をいただいてきましたが、初めて挑戦するG1の舞台でも、その期待に応えられるような走りをしてくれると信じています」と話す吉田さんの目は、紅葉に彩られた盛岡競馬場へすでに向けられているようだ。