重賞ウイナーレポート

2014年09月01日 ビューチフル・ドリーマーC(GDJ)

2014年09月01日 水沢競馬場 晴 良 ダ 1900m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アスカリーブル

プロフィール

生年月日
2009年04月14日 05歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:24戦11勝
総収得賞金
131,345,000円
ブラックタキシード
母 (母父)
ステキナデアイ by ホワイトマズル(GB)
馬主
坂本 敏浩
生産者
高山牧場 (門別)
調教師
出川 克己
騎手
吉原 寛人
  • アスカリーブルの生産者・高山正登さんと、高山牧場期待の当歳牝馬。写真左はカナンダクイーン2014(父ディープブリランテ)、写真右はラサンバ2014(父ダイワメジャー)
    アスカリーブルの生産者・高山正登さんと、高山牧場期待の当歳牝馬。写真左はカナンダクイーン2014(父ディープブリランテ)、写真右はラサンバ2014(父ダイワメジャー)
  • 太平洋が見渡せる見事なロケーションの高山牧場放牧地
    太平洋が見渡せる見事なロケーションの高山牧場放牧地
  • 高山牧場の厩舎
    高山牧場の厩舎
  • 高山牧場の看板
    高山牧場の看板

 「グランダム・ジャパン」古馬シーズンの第6戦は、水沢競馬場で行われる伝統の牝馬重賞「ビューチフル・ドリーマーカップ」。北海道から2頭、笠松から2頭、船橋から1頭の遠征馬を、6頭の地元馬が迎え撃つ形となったが、1.3倍の圧倒的人気に支持された船橋のアスカリーブルがスタートダッシュよくハナを奪い、そのまま後続を寄せ付けずに優勝。昨年2着の雪辱を果たし、グランダム・ジャパン古馬シーズン連覇に向けて力強く抜け出した。

 アスカリーブルの生まれ故郷は、国道235号線沿いにある日高町の高山牧場。太平洋が見渡せる見事なロケーションの牧場からは、日経新春杯(G2)優勝馬フリートホープ、園田の新春賞を制したクールフォーマなどの活躍馬が巣立っている。

 「1本かぶりの人気となりましたが、そんなに簡単ではないだろうと思って見ていました。故障から復帰して、状態も上向いてきたのでしょう。逃げの戦法は久々でしたが、最内枠を活かして良いレースだったと思います」と喜びのコメントを寄せてくれたのは、アスカリーブルの生産者・高山正登さん。自家生産馬であるステキナデアイにブラックタキシードを交配し、母の2番仔として誕生したアスカリーブル。サンデーサイレンス系種牡馬とホワイトマズルを父に持つ肌馬の相性が良いこと、また父母の体型を考慮して配合を決めたそうだ。

 「母のステキナデアイは気の強い馬でしたが、仔馬時代のアスカリーブルはとても扱いやすかったです。集牧の時など、こちらが呼べばすぐに来る賢い馬でした。1歳の春ぐらいから放牧地で見せるトビが良く、一完歩の距離が他の馬とは違うなと素質を感じていました」と、アスカリーブルが牧場で過ごした時代を懐かしそうに振り返る。幼少期は健やかに過ごしたものの、1歳時に上場したHBAサマーセールでは声が掛からず主取りとなってしまった。同世代の馬たちが次々と育成牧場へ移動していく中、アスカリーブルは1歳秋まで牧場に残り、時には1頭で夜間放牧をしたり、年上の馬と一緒に放牧地で過ごしたりしたこともあったという。「市場では結果を出せませんでしたが、成長度合いの遅さが原因だったのかと思います。それにしても、ここまでの活躍は期待以上ですけどね」と、5歳にして重賞7勝目を飾った愛馬を褒め称える高山さん。

 意外なことに、アスカリーブルの優勝は約2年ぶり。同世代の牡馬勢をも蹴散らし、NARグランプリ3歳最優秀牝馬に選出された当時の輝きが、ようやく戻ってきたようだ。現在は出川克己厩舎に所属しているアスカリーブルだが、3歳時にダートグレード「関東オークス(Jpn2)」を含む破竹の重賞4連勝を成し遂げた当時は川島正行厩舎で管理されていた。「アスカリーブルの活躍は、川島正行調教師の力も大きかったと思っています。ご冥福を心よりお祈りしています」と話す高山さんの自宅玄関には、川島厩舎時代に勝利したアスカリーブルのゴール写真が誇らしげに掲げられてある。

 「アスカリーブルのような活躍馬を生産できたことは、私たちにとっても自信となります。今後も強いメンバーとの対戦になると思いますが、2年連続グランダム・ジャパン古馬チャンピオンを目指して頑張ってほしいです。また、かつて天皇賞(春)(G1)で3着になった生産馬フリートホープのように、G1レースで好走してくれると最高ですね」と愛馬にエールを送る。今もアスカリーブルの馬体には、生産者の高山さんと川島正行調教師の思いが息づいているはず。その内に秘めた力を、ぜひG1の大舞台で見たいものだ。