重賞ウィナーレポート

2013年07月25日 兵庫サマークイーン賞(GDJ)

2013年07月25日 園田競馬場 晴 良 ダ 1700m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マンボビーン

プロフィール

生年月日
2008年02月24日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:38戦10勝
総収得賞金
26,851,000円
スズカマンボ
母 (母父)
ラブミースルー  by  アジュディケーティング(USA)
馬主
村田 裕子
生産者
岡田牧場 (静内)
調教師
野田 学
騎手
下原 理
  • マンボビーンの半妹・ラブミースルー2012(牝1歳、父タイキシャトル)
    マンボビーンの半妹・ラブミースルー2012(牝1歳、父タイキシャトル)
  • ラブミースルー2012は現在、目名共同育成センターで馴致中。今秋のオータムセールに上場予定
    ラブミースルー2012は現在、目名共同育成センターで馴致中。今秋のオータムセールに上場予定
  • マンボビーンの育成に携わった目名共同育成センターのスタッフ、漆原雄二さん(厩舎長)と山本浩平さん(副厩舎長)
    マンボビーンの育成に携わった目名共同育成センターのスタッフ、漆原雄二さん(厩舎長)と山本浩平さん(副厩舎長)
  • 岡田牧場の看板
    岡田牧場の看板

 『グランダム・ジャパン2013』古馬シーズンの第4戦「兵庫サマークイーン賞(園田)」を、地元兵庫のマンボビーンが制した。船橋から遠征してきたアスカリーブルが1.3倍の圧倒的な人気を集めるなか、2周目の3コーナーでは押さえられないほどの手応えで先頭に立ち、まくりながら猛追してくるアスカリーブルを振り切って、3歳時の「のじぎく賞」以来となる重賞勝利を飾った。

 マンボビーンの生まれ故郷は、新ひだか町静内の岡田牧場。1989年のエリザベス女王杯(G1)を20番人気で制したサンドピアリスも同牧場の生産馬で、同馬は引退後に繁殖牝馬として里帰りし、ダート重賞4勝(マーチS(G3)、白山大賞典(G3)、さくらんぼ記念(G3)、かしわ記念(G3))を挙げる活躍を見せたタマモストロングを生んでいる。その他、短距離重賞の常連だったリキアイタイカンやハヤブサオーカン、障害重賞で活躍したアワパラゴン、また近年では、今年2月のすみれSに優勝し、皐月賞(G1)へも駒を進めたナリタパイレーツなど、コンスタントに活躍馬を競馬場へ送り出し続けている。

 「優勝できて嬉しいです。マンボビーンにとっては久しぶりの重賞制覇となりました。近走は脚質に幅が出て、成績がより安定してきましたね。2着馬に詰め寄られてからもしっかり踏ん張って、根性のあるところを見せてくれました」とレースを振り返るのは、同牧場の岡田隆寛社長。繁殖牝馬50頭、繁殖と中期育成合わせて9名のスタッフが働く岡田牧場を統括し、強い馬づくりを目指して日々精進している。

 牧場にいた頃のマンボビーンについて尋ねると、「牝馬にしては馬格があって、丈夫に育ちました。せり上場の際も、良い状態で送り出すことができました」と話してくれた。1歳時には同牧場の育成拠点である目名共同育成センターで馴致が施され、秋のオータムセールに上場。420万円(税込)で落札され、兵庫所属馬として競走生活を送ることになった。

 マンボビーンの母ラブミースルーは、中央競馬で4勝を挙げたアジュディケーティング産駒。主に短距離路線で活躍したスピード馬で、引退後に牧場へ戻って繁殖生活を始め、種牡馬初年度だった天皇賞馬スズカマンボを交配して産み落としたのが5番仔のマンボビーンだった。「母のラブミースルーは血統、競走成績ともに優秀だったので、繁殖牝馬としても大きな期待を懸けていました。実際に仔出しは良く、交配種牡馬の長所を引き出してくれています。マンボビーンは母のスピードと父のスタミナ、両方の良いところを受け継ぎましたね」と殊勲の母を紹介。マンボビーンの血統を遡ると、5代母には1955年の桜花賞馬ヤシマベツチイ、3代母には京都大障害の優勝馬フラストメア(同牧場生産馬)がいて、岡田社長が話すように優秀な牝系が代々つながっている。

 今秋のオータムセールには、マンボビーンの半妹に当たる1歳馬(牝、父タイキシャトル)が上場予定。現在、目名共同育成センターで馴致が行われており、「素軽い動き」と評判も上々のようだ。ここまでは姉とまったく同じ道を歩んでいる半妹が、今後どんな競走馬として育っていくかにも注目される。

 「マンボビーンは心身がタフで、輸送を苦にしないタイプ。地元以外の競馬場でも力を発揮できると思います。今後も無事に競走生活を送って、里帰りして欲しいと思います」と愛馬にエールを送る岡田社長。マンボビーンは一昨年、『グランダム・ジャパン2011』3歳シーズンのチャンピオンに輝いている。今年でシリーズも4年目に突入したが、まだ別カテゴリー(2歳、3歳、古馬)を同一馬が制した例はない。現時点でその偉業達成に最も近い位置にいるのが、マンボビーンであることは間違いないだろう。