重賞ウィナーレポート

2008年11月09日 ファンタジーS Jpn3

2008年11月09日 京都競馬場 曇 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:イナズマアマリリス

プロフィール

生年月日
2006年04月25日 02歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:8戦4勝
総収得賞金
51,466,000円
スエヒロコマンダー
母 (母父)
イナズマラム  by  ラムタラ(USA)
馬主
小泉 賢悟
生産者
小泉牧場 (新冠)
調教師
松元 茂樹
騎手
池添 謙一
  • 小泉賢悟社長とスエヒロジョウオー
    小泉賢悟社長とスエヒロジョウオー
  • 父スエヒロコマンダー~赤石久夫牧場で
    父スエヒロコマンダー~赤石久夫牧場で
  • 母母イナズマクロス~小泉牧場
    母母イナズマクロス~小泉牧場
  • 父母スエヒロジョウオー~同
    父母スエヒロジョウオー~同
  • 同牧場経営のヒノデファーム生産馬トーワトレジャー(新潟記念)~同
    同牧場経営のヒノデファーム生産馬トーワトレジャー(新潟記念)~同
 道営競馬からの転厩初戦、ブービー人気ながら有力馬を抑えて優勝したのはイナズマアマリリス。父スエヒロコマンダーにも産駒として重賞初制覇をプレゼントしたが、父と本馬の生産牧場は同じ小泉牧場だった。
 同牧場は、新冠町朝日の通称サラブレッド銀座通りにあり、繁殖牝馬18頭を4名のスタッフで飼養している。
 「スエヒロコマンダーの名を世に残してあげたかった。」と語る小泉賢悟社長は、毎年同牧場の繁殖牝馬に複数頭配合を続けてきた。 本馬の優勝は、小泉社長にとっては待ちに待った夢の実現となったが、父系と母系共に牧場で3代続く血統後継馬で、小泉社長自らが馬主という小・中規模の牧場では余り例のない大快挙。まさに、小泉社長の執念の勝利とも言うべきものだった。

 道営競馬所属馬として出走した前走のすずらん賞(札幌 2着)での好走を確認した小泉社長は、スエヒロコマンダーが現役時代に所属していた厩舎の松元茂樹調教師に相談して転厩を決意したという。
 期待のかかった本レースに、小泉社長は当然のように京都競馬場の席に居たが、本馬の快勝を目の前にした感動は、牧場に戻ってからもその余韻は続いている様子だ。
 小泉社長は「最高の喜びですよ。涙が出るほどに嬉しい。思い入れだけでは、この世界ではやって行けないことは分っているけれど、何とかスエヒロコマンダーの産駒に走って貰いたかった。サイレンススズカのレコードを破ったほどの馬だし、スエヒロコマンダー(の仔)は走るという信念を持ち続けていました。 母・父と共に牧場の大事な血統を継いできた生産馬の優勝だったので最高の気持ちです。この1勝は本当に大きな1勝ですよ。ここまで来たからには、(イナズマ)アマリリスにはとことん突き進んでもらいたいですね。」と想いをこめて語る。

 本馬の父スエヒロコマンダーの母系をたどると日高に継がれる血統で、同牧場に導入された父母母イセスズカ(父マルゼンスキー)とトウショウペガサスの配合で産まれたのが父母のスエヒロジョウオー(阪神3歳S)、父母と英・愛ダービー馬のコマンダーインチーフ(父ダンシングブレーヴ)との間に生まれたのがスエヒロコマンダーとなる。
 母系の導入は3代母のポーロニアオリオン(父セダン)で、遠くヒンドスタンの肌が入る。2代母イナズマクロス(クイーンS)はシービークロスとの配合からで、2代母とラムタラ(父ニジンスキー)の仔が母イナズマラムという血統背景を持つ。
 日高に永く継がれる血統に、外国からの名種牡馬の血が入った後継馬たちだ。
 本馬は、生産馬のスエヒロジョウオー、イナズマクロスの両重賞馬も入る牧場の歴史の結晶ともいえる。
 
 スエヒロコマンダーは、現在、5年間供用された優駿スタリオンステーションから同町の赤石久夫牧場分場に移動しているが、小泉社長は「種付の数も少なくなって、シンジケートは解散して一時は引退の話も出ていたけれど、馬主さんや仲間と相談して現役抹消はしないでいました。」とこれからの種牡馬活動に新たな期待が掛かる。

 今週の日曜日には、同牧場の生産馬のスエヒロコマンダーの初仔のメトロシュタイン(4歳 牡 母パールクイン)が京都10R比叡ステークスに出走予定。
 前走の古都ステークスを3着と好走しているが、小泉社長は「少し(専門紙の)印も付くだろうし楽しみにしているよ」と、ニコリと笑顔を見せていた。