重賞ウィナーレポート

2009年04月18日 マイラーズC G2

2009年04月18日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スーパーホーネット

プロフィール

生年月日
2003年03月20日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:25戦10勝
総収得賞金
535,388,000円
ロドリゴデトリアーノ(USA)
母 (母父)
ユウサンポリッシュ  by  エルセニョール(USA)
馬主
田島 政光
生産者
ガーベラパークスタツド (浦河)
調教師
矢作 芳人
騎手
藤岡 佑介
  • 右から本巣俊光社長、拓哉さん、スタッフの黒須さん
    右から本巣俊光社長、拓哉さん、スタッフの黒須さん
  • 母ユウサンポリッシュ
    母ユウサンポリッシュ
  • ダイワメジャーの初仔となる半弟の当歳
    ダイワメジャーの初仔となる半弟の当歳
  • 長男の拓哉さんと当歳
    長男の拓哉さんと当歳
 本馬の生産牧場である浦河町西幌別のガーベラパークスタッドに伺うと、本巣俊光社長の自宅玄関正面には三つの優勝肩掛けがケースに入れられて並んでいる。本馬が一昨年に優勝したスワンSと昨年の京王杯スプリングC、そして、強豪の集まった中、ゴール前でウオッカを差し切った毎日王冠の優勝記念だ。
 同牧場では、一昨年の9月にマルブツイースターが小倉2歳Sを制して、牧場生産馬の重賞初制覇を遂げている。「自分たちの代では重賞は取れないかも知れない。」と夫婦で話していた矢先の事だったそうだが、それから1年半の間に五つの重賞を制したことになる。
 
 本馬は、毎日王冠後、ひと月半の間隔をあけてマイルChS(G1)で2着と好走し、3週目には香港マイル(5着)にチャレンジしてきた。
 今回で4度目の重賞制覇となったレースを、本巣社長は阪神競馬場で見守っていた。
 「この馬は、充分に休養を取った後の1~2戦が良いですね。馬体重が増えていたのも良かったし、パドックでも走る気を抑えるように大外を回って雰囲気が良かった。頭数が少なかったので走りやすかったと思いますが、能力を信じていました。しかし、追い出してから重心を低くして頭を真っ直ぐ前に押し出す、あの馬の持ち味は出していません。これからですね。オーナー(田島政光氏)も安田記念に直行して能力を出し切ってチャレンジすると言っていましたので期待しています。ここまで頑張ってきたので、馬のためにもG1を取らせてあげたいです。香港でもあのハードなスケジュールの中での5着ですから本当に良く頑張ったと思っています。」
と、本巣社長の愛馬への想いは大きい。

 母馬のユウサンポリッシュに、今年、ダイワメジャーの初仔となる8番仔の牡馬が誕生した。
 「奇麗な子でしょ。馬格も父親と似ている。ユウサンポリッシュは、父親の良いところを出してくれるのですよ。ダイワメジャーには悔しい思い(2007年マイルChSで首差2着と惜敗ほか)をさせられているので、産まれる仔には、ダイワメジャーの仔を負かして欲しいという洒落ですよ。」と笑う。
 ‘洒落’と語るが、この言葉には本巣社長夫妻の内に秘める誇りを感じる。
 これまでの本馬のレポートで紹介してきたが、母馬ユウサンポリッシュの母エルゼビアー(父Elocutionist)は夫妻が苦労してニュージーランドの知人を通して直接導入した繁殖馬で、その父エルセニョール(父の父Valdz)も仲間と導入した種牡馬と、血統的にもチャレンジしたもの。
 母ユウサンポリッシュは、現在、国内で活躍する大種牡馬の殆どがインブリードの弊害も考えずに配合できる血統にある。
 「大事なこと」と言われながらも家族経営規模でのマーケットブリーダーとしては、このような血統の導入には経済的にも大きな決断が必要となる。

 本馬の活躍は、夫妻の努力の大きな結晶となっているが、馬産界にとってもこの血統背景からの可能性が広まる。
 祖母エルゼビアーは、昨年、日本での10番目の仔を出産後、大きな役目を果たして死亡しており、母馬ユウサンポリッシュは仔にスーパーホーネットを出し貴重な血統後継馬となっている。

 ※ 同牧場の拓哉さんの妻朋美さんが綴るホームページはこちらです。
ガーベラパークスタッド