2020年10月15日 エーデルワイス賞(中央交流) Jpn3
優勝馬:ソロユニット
プロフィール
- 生年月日
- 2018年02月23日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:6戦5勝
- 総収得賞金
- 30,450,000円
- 母 (母父)
- ヒバリエクスプレス by アグネスデジタル(USA)
- 馬主
- 村上 雅規
- 生産者
- 村上 雅規 (新冠)
- 調教師
- 角川 秀樹
- 騎手
- 阿部 龍
『グランダム・ジャパン2020』2歳シーズンの第2戦で、国内では唯一の2歳牝馬限定ダート重賞となる「エーデルワイス賞(Jpn3)」を、地元・北海道所属のソロユニットが優勝。JRAからの遠征馬4頭をまったく寄せ付けず、リリーカップにつづく重賞連勝を飾った。
ソロユニットは、新冠町朝日のサラブレッド銀座に牧場を構える村上雅規さんの生産所有馬。昭和10年創業と歴史は古く、過去に札幌2歳ステークス(G3)で3着したダブルシャープなどの活躍馬を送り出してきたが、生産馬のグレードレース制覇は今回が初めてのことだった。「エーデルワイス賞(Jpn3)当日は夫婦で門別競馬場に行き、現地で応援していました。昨年、ソロユニットの1つ上の姉アザワクが惜しくも2着だったので、姉の分も頑張ってくれたように感じて本当に嬉しかったです。レース後、鼻を膨らませて帰ってきた姿を見て、ねぎらってあげたい気持ちでいっぱいでした」と話すのは、村上雅規さんの奥様・久美子さん。夢見心地で愛馬と口取り写真におさまり、競馬場からの帰りには夫婦でお祝いにお寿司を食べに行ったそうだ。
「ソロユニットの母ヒバリエクスプレスもうちの牧場で生産し、誕生からわずか25分で立ち上がったのが印象に残っている馬だったんです。競走生活を終えて母となったあと、同じように早く自力で立ち上がれるような仔が生まれたら売らずに自分で競馬を使おうと思っていたところ、5番仔として生まれたソロユニットが30分以内に立ったんですよ。でも牧場経営のことも考えて『やはり売ろう』ということになり、オータムセールに申し込んだのですが、セール前に両後ろ脚が腫れてしまって…。仕方なくせりは欠場し、結局、自己所有馬として競馬を使うことになりました」と、同馬のオーナーブリーダーとなった経緯を明かす。「ソロユニットは食の細い馬でしたが、優しくて人なつこい性格をしていました。1歳秋に後ろ脚の手術をしたあと、12月に門別の角川厩舎へ移動していきました。遅い入厩だったのに、早い時期に能力試験を受けたのには驚きました」と、ソロユニットが育った過程をつぶさに教えてくれた。
母ヒバリエクスプレスは繁殖牝馬として優秀で、初仔のアクティフ(牝、父ファスリエフ)が大井競馬でデビューし、準重賞の桃花賞に優勝。重賞の優駿スプリントでも2着した快速馬だった。また4番仔アザワク(牝、父カレンブラックヒル)は昨年のエーデルワイス賞(Jpn3)で2着し、今夏のグランシャリオ門別スプリントでメイショウアイアンやアークヴィグラスを下してレコード勝ちしている。「ヒバリエクスプレスはどちらかというと小柄な繁殖牝馬ですが、トモのしっかりした仔を産んでくれます。当初はダート系の種牡馬を交配していたのですが、仔出しを見て最近は芝適性のある種牡馬を選ぶようにしています。現1歳の牡馬は父がリアルインパクトで、今年のサマーセールで高く評価してもらいました。今年生まれた当歳の牝馬は父がレッドファルクスで、ターファイトクラブで募集馬となっています。栗東の清水久詞厩舎に入厩してJRAでデビューする予定です」と弟妹を紹介。現在、ヒバリエクスプレスのお腹にはカレンブラックヒルの仔が宿っているそうだ。
「レースセンスが高く、楽に良い位置を取れるのがソロユニットの長所だと思います。距離が延びても対応してくれれば、さらに楽しみが広がりますね。また将来は、芝コースでの走りも見てみたいです」と期待を膨らませる村上さん。雅規さんの音楽好きからその名を授かったソロユニットが、今後どんな競走生活を奏でていくか楽しみだ。