重賞ウイナーレポート

2020年11月01日 天皇賞(秋) G1

2020年11月01日 東京競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アーモンドアイ

プロフィール

生年月日
2015年03月10日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:13戦9勝
総収得賞金
1,216,329,000円
ロードカナロア
母 (母父)
フサイチパンドラ by サンデーサイレンス(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
国枝 栄
騎手
C.ルメール
  • 騎乗育成を手がけたのは、ノーザンファーム早来の岡厩舎
    騎乗育成を手がけたのは、ノーザンファーム早来の岡厩舎
  • 秋競馬が始まってから、生産馬が毎週のように重賞を勝利している
    秋競馬が始まってから、生産馬が毎週のように重賞を勝利している

 幾多の名馬でも超えられなかったG1 7勝の壁を、ついにアーモンドアイが超えて見せた。

 「想像の範囲外です。ただただ、偉業でしかありません」と喜びを口にするのは、ノーザンファームの岡崎友和繁殖主任。産まれて間も無いアーモンドアイは勿論のこと、母フサイチパンドラの産駒にも多く接してきたが、当時のアーモンドアイは、後にこれだけの偉業を成し遂げるような馬とは思えなかったと話す。

 「フサイチパンドラの子供たちは、産まれながらに馬体を良く見せる馬が多く、きょうだいと比較するとアーモンドアイは牝馬らしいというのか、どこか物足りなささえ感じていました。ただ、繁殖厩舎の厩舎長は『フサイチパンドラの産駒では、アーモンドアイが一番自信があった』とも話していましたし、この時点で更なる成長を感じさせていたことが、今の活躍に繋がっているのかもしれません」

 岡崎繁殖主任がこれまでのアーモンドアイのレースで、最も強く印象に残ったのは、8勝をあげたG1ではなく、初重賞制覇となったシンザン記念(G3)だという。

 「初勝利をあげたレース(2歳未勝利)も強い内容でしたが、それでも重賞に出走してきたような牡馬を相手に、どこまでやれるのだろうかと半信半疑な思いもありました。それだけに最後の直線での走りを見たときには大丈夫と確信しただけでなく、ひょっとしたら凄い馬になるかもと思いました」

 ノーザンファームで長きに渡って、様々な名馬を見てきた岡崎繁殖主任でも、G1 7勝はまず超えられない数字だと思っていたという。

 「アーモンドアイですら、そう簡単に超えられないと思っていたこともあります。それだけに4コーナーを回ってきた時の手応えを見たときには、勝てるかもとの期待が高まった一方で、ゴール前でフィエールマンが迫ってきたときには一瞬ですが、やはりこの数字を超えるのは難しいのかと思いました」

 実は2着のフィエールマンも、岡崎繁殖主任が管理をする繁殖厩舎で誕生した馬となる。ノーザンファームのワンツースリーフィニッシュとなった今年の天皇賞(秋) (G1)であるが、その中でも管理馬がゴール前で雌雄を決する瞬間は、かなり見応えがあったに違いない。

 次走はまだ決まっていないものの、G1が目標となるのは間違い無い。そうなると、更なる記録更新も期待できる。

 「繁殖スタッフとしていつもレース後に思っているのは、無事に走りきって良かったとの思いです。一昨年のジャパンC(G1)は競馬場で応援してきましたが、力を振り絞って走る姿を見て、その思いが一層強くなりました」

 岡崎繁殖主任はこの天皇賞(秋)(G1)の後だけでなく、レースの度に、「何とも無いですか? とGMや場長といった関係者に聞いて回ります」と教えてくれる。レースの後はノーザンファームしがらきで管理されており、近々、次走のローテーションが発表されるが、岡崎繁殖主任の話を聞くと、こちらも無事に走りきって欲しいと思わずにはいられなくなる。

 「これからも最高のレースを見せて欲しいと思います。そして、無事に元気で牧場に帰ってきてもらいたいです」

 競走馬としてのアーモンドアイの姿が見られるのは、あと数戦かもしれない。ただ、繁殖牝馬としてのアーモンドアイの馬生は、それから始まっていく。岡崎繁殖主任や牧場スタッフから、お帰り」の言葉をかけられるその日まで、競走馬としてのアーモンドアイが、最高のフィナーレを見せてくれることを期待しよう。