重賞ウィナーレポート

2020年06月21日 函館スプリントS G3

2020年06月21日 函館競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダイアトニック

プロフィール

生年月日
2015年05月12日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:16戦7勝
総収得賞金
460,434,000円
ロードカナロア
母 (母父)
トゥハーモニー  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
酒井牧場 (浦河)
調教師
安田 隆行
騎手
武 豊

 JRAサマースプリントシリーズの第1戦「第27回函館スプリントS(G3)」は、武豊騎手騎乗で圧倒的人気を集めたダイアトニックが優勝。昨年のスワンS(G2)に続いて重賞2勝目を記録し、通算成績を16戦7勝とした。鞍上の武豊騎手にとっては2020年の毎日杯(G3)(優勝馬サトノインプレッサ)以来の重賞勝利となり、通算340勝目。管理する安田隆行厩舎にとっては2020年京王杯スプリングC(G2)に続く重賞勝利で通算41勝目の重賞タイトルとなった。

 ダイアトニックの生まれ故郷は、浦河町の酒井牧場。1961年の日本ダービー馬ハクショウや、同年のオークス優勝チトセホープ、あるいは1987年の2冠牝馬マックスビューティや、砂の女王と異名を取ったホクトベガなど数多くの名馬を輩出してきた牧場だ。

 「無観客競馬ということもあり、レースは牧場から応援させてもらいました。ここ2戦は、競馬の神様から見放されてしまったようなレースが続いていましたが、今回はすべてが上手にかみ合った結果だと思っています。強い馬たちを相手に、初めて経験する58kgも問題なくこなしてくれたようで心強かったです。このような競馬ができるのであれば、次のレースも楽しみです」とレースをふりかえってくれたのは酒井一馬社長。オーナーサイドからは8月のキーンランドカップ(G3)を目指すことが発表されており楽しみが広がる。

 ロードカナロアとの配合は「トゥハーモニーがサンデーサイレンス直仔ですから、非サンデーサイレンス系種牡馬というのが1番ですが、これまでの産駒でサクラバクシンオー(レオプライム)やタイキシャトル(レオウィザード)といったスピードタイプの種牡馬と相性が良かったことからロードカナロアを選びました」とのこと。レース当日は、ちょうど父の日ということもあって「ロードカナロアに良い報告が出来たのではないでしょうか」と笑った。

 牧場時代の印象を訪ねるとは「今はスプリント仕様で筋肉量が多い体型になっていますが、牧場時代は線のきれいな馬でした」と振り返ってくれた。そんなダイアトニックこと「トゥハーモニー27」は1歳時に北海道市場セレクションセールに上場されて、高額9位タイとなる3,240万円(税込)でノーザンファームによって落札されている。

 「こうして結果を出してくれたからこそ言えることなのかもしれませんが、北海道市場のセレクションセールに選んでいただき、そして今のオーナーと巡り合ったことが大きかったと思います。せり当日は、本当にたくさんの方に見ていただいたことを覚えています」と話し「上手に導いてくれた武豊騎手や安田厩舎の方々はじめ、競馬を教えてくれた北村騎手や今までこの馬に携わったすべての人に感謝したい」と喜びを表現した。

 「この馬に限らず、生産馬すべてに期待することは、息長く競馬を使えるような馬になってほしいということです。とくにダイアトニックはクラブ法人の所属馬でもあり、たくさんの方々の思いがありますので、なおさらです」とさらなる活躍を期待している。