重賞ウイナーレポート

2020年05月24日 オークス G1

2020年05月24日 東京競馬場 晴 良 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:デアリングタクト

プロフィール

生年月日
2017年04月15日 03歳
性別/毛色
牝/青鹿毛
戦績
国内:4戦4勝
総収得賞金
293,891,000円
エピファネイア
母 (母父)
デアリングバード by キングカメハメハ
馬主
(株) ノルマンディーサラブレッドR
生産者
長谷川牧場 (門別)
調教師
杉山 晴紀
騎手
松山 弘平
  • 秋へ向けてノルマンディーファームで充電する
    秋へ向けてノルマンディーファームで充電する
  • レース終了後は大勢の関係者がお祝いに駆け付けた
    レース終了後は大勢の関係者がお祝いに駆け付けた
  • 日高町役場に掲げられた偉業を称える短幕
    日高町役場に掲げられた偉業を称える短幕

 5月24日、東京競馬場で春の女王決定戦、第81回優駿牝馬(オークス)(G1)が行われた。勝ったのは、日高町の長谷川牧場生産のデアリングタクト。道中は中団やや後方に位置していたが、4コーナーをまわって直線に入ると力強く馬場の真ん中から末脚を伸ばして2分24秒4の勝ちタイムで優勝。昨年のラヴズオンリーユーに続いて不敗のオークス馬の誕生となった。

 デアリングタクトが不敗の桜花賞馬となってから、この日まで6週間。コロナ禍の中で、突如降ってわいたような愛馬のクラシック制覇と、絶えない取材攻勢に落ち着かない日々を過ごしていたという長谷川牧場の長谷川文雄社長。とくにオークス(G1)当該週となって買い求めた競馬週刊誌、スポーツ新聞を見てからは、よりいっそう、そうした思いが強くなったという。

 「桜花賞(G1)を勝たせていただいたので、ある程度は人気になるだろうと思ってはいましたが、本命が並んだ出馬表を見てびっくり。ドキドキの一週間でした」と満面の笑顔になった。

 「競馬場へ応援に行きたい気持ちもありましたが、無観客競馬でしたし、何よりもデアリングタクトの母デアリングバードが出産を控えていましたので」と牧場事務所のテレビで応援。長年苦楽をともにしてきた家族や、スタッフとは別々の場所で見ていたというが、単勝オッズ1.6倍という圧倒的な人気を背負っていた愛馬は、堂々と馬場の真ん中を豪快に突き抜けた。

 「桜花賞(G1)も厳しい競馬でしたが、今回の方かマークが厳しかったように思いました。いつも言うことですが、馬の能力を信じて騎乗してくれた松山騎手はもちろんですが、このレースに向けてしっかりと仕上げてくれた厩舎スタッフ、そして育成牧場の方々みなさんのおかげ」と感謝の言葉を続けた。

 牧場時代のデアリングタクトのことを訪ねると「小さな馬でしたが、皮膚の良い馬で、競走馬向きの気性を兼ねそなえていた馬でした。育てたのは母馬です。私は見守っていただけです」と煙に巻くも“良い馬は良い草が育て、良い草は良い土が育てる”という伝統的な馬づくりに加えて、海外で良いと言われている手法なども積極的に導入。70歳の声を聞いても、まだ強い馬づくりへの情熱を燃やし続けている。偉大なる母デアリングバードを、繁殖馬セールで買い求めたのもその一環だ。「血統も、競走成績も、馬格も完璧な馬など売りに出るわけがない。しかし、出てくる馬というのは、どこか良いところを持っている馬が多い。この馬もそうだと思いました」と購入を決めたエピファネイアとの配合は、配合アドバイザーの意見を取り入れ、長谷川社長が決断した。期待を込めて当歳市場にも上場させたが、価格が折り合わずに断念すると、コンサイナーのもとへと預けて1歳市場で売却させた。こうした一連の事実が、長谷川牧場の馬づくりだ。

 生産者としてはもう十分という気持ちですが、この馬に期待するたくさんの人たちのためにも頑張って欲しい。とにかく無事であることが一番です」と願っている。