重賞ウィナーレポート

2020年02月02日 シルクロードS G3

2020年02月02日 京都競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アウィルアウェイ

プロフィール

生年月日
2016年02月04日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:10戦4勝
総収得賞金
172,002,000円
ジャスタウェイ
母 (母父)
ウィルパワー  by  キングカメハメハ
馬主
吉田 勝己
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
高野 友和
騎手
川田 将雅
  • 2頭目の重賞馬を送り出したジャスタウェイ
    2頭目の重賞馬を送り出したジャスタウェイ
  • 入り口の看板も、雪ですっぽりと覆われた
    入り口の看板も、雪ですっぽりと覆われた

 半兄は昨年、安田記念(G1)、マイルCS(G1)とマイルG1を2勝したインディチャンプ。近親にもリアルインパクト、ネオリアリズムの名前もあるアウィルアウェイが、シルクロードS(G3)で待望の初重賞制覇を果たした。

 育成先となったのは、半兄のインディチャンプだけでなく、リアルインパクト、ネオリアリズムも育成されていた、ノーザンファーム空港。アウィルアウェイの成長過程を見守ってきた山本圭二調教主任は、「血統的にも注目していましたし、育成厩舎に来た頃からこの父系の産駒らしく、動きや身のこなしは目を引いていました」と話す。2歳を迎えると馬体重も増えてきて、トモの張りも目立ってきたアウィルアウェイは、負荷をかけた調教メニューもしっかりとこなせるようになっていく。

 「騎乗していたスタッフも動きの良さを評価していました。順調さを欠いたこともなかったですし、これなら早期のデビューも目指せるのではと思えるようになりました」

 ジャスタウェイの初年度産駒でもあるアウィルアウェイであるが、山本調教主任の管理馬では、他のジャスタウェイ産駒も順調に来ていた馬が多かったと話す。

 「共通していたのは、2歳を迎えてから馬がしっかりとしてくることであり、見た目にもトモの張りが目立ってくる産駒も多かったですね。坂路でも手応えのいい馬はジャスタウェイ産駒が多かったですし、また総じて真面目な性格をしていた印象があります」

 まさにジャスタウェイ産駒らしい仕上がりの良さと真面目さを武器に、アウィルアウェイは6月のメイクデビュー、そして、ダリア賞も優勝。京王杯2歳S(G2)でも2着に入ってみせる。だが、その後は1番人気に支持されたフィリーズレビュー(G2)、そして桜花賞(G1)と掲示板にも載れないレースが続いていく。

 「この頃は前向きな気持ちに、身体が付いていかなかったのかもしれません。そう思うとスプリント路線に適性を見いだせたことが、現在の活躍に繋がったのかもしれませんね」

 桜花賞(G1)の後はメイクデビューでも勝ち鞍をあげていた芝1200mに戦いの場を切り替えたアウィルアウェイは、葵Sで3着に入着。一夏を越して臨んだオパールSで3勝目をあげる。

 続く京阪杯(G3)こそ落馬の影響もあって4着に敗れたが、このシルクロードS(G3)では3番人気の評価を集めると、直線一気の末脚を使い、7度目の挑戦にして重賞タイトルを掴み取ってみせた。

 「スピード色の強いこの母系が、スプリント適性の高さに繋がったのかなとも思います。レースの当該週に牧場に来られていた高野先生からも、状態の良さも聞いていましたし、ノーザンファームとしても、スプリントの活躍馬は少ないだけに、そこで適性を見いだす活躍を見せてくれたのは嬉しいですね」

 次走は高松宮記念(G1)の出走を予定。ノーザンファーム育成馬としては昨年のミスターメロディや、連覇を果たしたキンシャサノキセキが勝っているレースではあるが、生産馬では2006年のオレハマッテルゼまで遡らなければいけない。今年、アウィルアウェイがその空いた歴史を埋める馬となるのかもしれない。