重賞ウィナーレポート

2019年11月03日 AR共和国杯 G2

2019年11月03日 東京競馬場 曇 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ムイトオブリガード

プロフィール

生年月日
2014年04月13日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:21戦6勝
総収得賞金
169,753,000円
ルーラーシップ
母 (母父)
ピサノグラフ  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
市川義美ホールディングス (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
角田 晃一
騎手
横山 典弘
  • ジャパンC(G1)にはA1厩舎の育成馬が3頭出走を予定している
    ジャパンC(G1)にはA1厩舎の育成馬が3頭出走を予定している
  • 広大だが、管理のされたイヤリングの放牧地
    広大だが、管理のされたイヤリングの放牧地

 昨年、2着に敗れたアルゼンチン共和国杯(G2)だが、そのリベンジを果たすような勝利を収めたムイトオブリガード。初重賞制覇に際して騎乗育成を手がけたノーザンファーム空港の大木誠司厩舎長は、「去年は連勝をしていた勢いのままに、重賞も勝ってしまうのではと思っていただけに、悔しいレースでした。その借りを一年越しに返してくれたような気がしています」と笑みを浮かべる。

 芝2500mで行われたこのアルゼンチン共和国杯(G2)だけでなく、芝中長距離の重賞戦線ではすっかり常連となった印象もあるが、デビュー2戦目からしばらくは、ダートでのレースを使われてきた時期もあった。

 「この頃は脚元もしっかりとしていなかったので、ダートを使っていたと聞いています。ただ、育成時から乗り味が良かっただけでなく、軽い走りもできていたので、芝向きの馬だと思っていました」

 育成時から動きの良さが目立っていただけでなく、行きっぷりの良さも目立っていたというムイトオブリガードであるが、今年の夏に牧場へと戻ってきた際には、心身共に成長の跡が見られるようにもなっていた。

 「軽さだけでなく、しっかりとした動きもできるようになりましたし、精神面でも落ち着きが見られるようになりました」

 この充実ぶりなら重賞でも好勝負が期待出来ると思いながら見ていたアルゼンチン共和国杯(G2)。13頭の出走馬の中には、昨年まで3年連続でJRA賞最優秀障害馬に選出されていたオジュウチョウサン、ホッカイドウ競馬から移籍初戦となるハッピーグリンと、話題の馬も出走していた中、2番人気の支持を集めたムイトオブリガードは好スタートを決めると、3番手をキープしながらレースを進めていく。

 オジュウチョウサンが果敢にハナを奪ったレースは、1000m通過が62秒フラットというスローペースで流れるも、ムイトオブリガードの折り合いに不安は見られない。馬群が一気に凝縮した第4コーナーから最後の直線にかけて、鞍上の横山典弘騎手の手綱に導かれる形でインコースに進路を取ったムイトオブリガードは、一気に先頭へと躍り出る。そのままセーフティーリードを保ってのゴールは、横山騎手の好騎乗もあったとは言えども、それに応えるだけの走りができたムイトオブリガードの能力の高さとも言える。

 「横山騎手が積極的なレースを見せてくれましたし、これで負けたら仕方ないなと思っていました。スローで流れていましたし、早めに抜け出したときには、このまま押し切れるのではないかとも思いました」

 レース後、陣営からはジャパンC(G1)への出走が表明されたが、このレースには大木厩舎長が管理をしているA1厩舎からもレイデオロ、ワグネリアンと育成馬2頭が出走予定。ダービー馬となった2頭よりも、現時点での実績では見劣るムイトオブリガードであるが、重賞初制覇を果たした勢いで、一気にG1タイトルまで駆け抜けてしまうのかもしれない。