重賞ウィナーレポート

2019年09月08日 セントウルS G2

2019年09月08日 阪神競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タワーオブロンドン

プロフィール

生年月日
2015年02月09日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:13戦6勝
総収得賞金
407,550,000円
Raven's Pass(USA)
母 (母父)
スノーパイン(GB)  by  Dalakhani(IRE)
馬主
ゴドルフィン
生産者
ダーレー・ジャパン・ファーム有限会社 (門別)
調教師
藤沢 和雄
騎手
C.ルメール

 サマースプリントシリーズの最終戦であると同時に、中山競馬場で行われるスプリンターズS(G1)への重要なステップレース「第33回産経賞セントルスS(G2)」は日高町のダーレー・ジャパン・ファーム生産タワーオブロンドンが最後の直線で強烈な決め手を発揮。1分6秒7のタイムで鋭く抜け出して優勝。阪神競馬場芝1200mコースのレコードタイムを塗り替えると同時に、この勝利で12ptを獲得。初のサマースプリント王者に輝いた。

 レース当日は、非番だったために自宅テレビでレースを観戦していたという三宅公彦育成マネージャーは「この夏からスプリント戦へと矛先を変えましたが、前2走は初めて経験するペースに戸惑っているような印象を受けましたが、今回は広い阪神競馬場。スプリント戦も3回目なので違ったレースをしてくれるのではないかと思っていました」と楽しみにしていたそうだ。

 そういった思いは多くのファンも抱いていたようで、レースでは圧倒的な1番人気に。スタートこそダッシュ付かずにヒヤリとさせたが、二の脚をきかせて中団に取り付くと、鞍上のC.ルメール騎手が引っ張りきれないような手応えのまま直線に向き。文字どおりに桁違いの末脚を繰り出した。「強い内容の競馬だったと思います。改めてスプリンターとしての資質を感じました」と三宅さんも舌を巻く強さだった。

 そんなタワーオブロンドンについて牧場時代の印象を伺うと「生まれた時から骨太で、筋肉質の馬体でしたので、他の当歳とは見た目が全く違いました。顔も目立ちますしね」ただし、気性は大人しすぎるくらいに大人しい馬だったという。大人しすぎて逆に「競走馬として大丈夫なのかと心配するほど」だったというが「今にして思えば、大人しいのではなく物事に動じるタイプではなく、堂々と落ち着いていたのだと思います」。

 そんな性格だから馴致もスムーズで「騎乗できる状態になってからは経験が浅いスタッフも安心して騎乗できるような馬でした。ちょうどその頃から、それまで内に秘めていた闘志を見せ始めたと聞き、ホッとしたのを覚えています」。

 2歳夏に札幌競馬場でデビュー。馬の個性、適性が考慮されてクラシックへは向かわずにマイル戦線で実績を積み上げていったが、この夏からはさらに距離を短縮されて新しい一面を見せるようになった。

 「今回の結果からは、さらに上を目指せる馬だと思います。そして、将来はダーレーの種牡馬として戻って来て欲しいと思います。タワーオブロンドンの血統は、日本の繁殖牝馬にもあうと思いますので、大きなタイトルとともに戻ってきて欲しい」と期待に胸を膨らませている。