2019年05月26日 九州ダービー栄城賞(DS2019)
優勝馬:スーパージンガ
プロフィール
- 生年月日
- 2016年04月30日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:14戦8勝
- 総収得賞金
- 24,827,000円
- 馬主
- 原 大栄
- 生産者
- バンブー牧場 (荻伏)
- 調教師
- 渡辺 博文
- 騎手
- 真島 正徳
東京競馬場で日本ダービー(G1)が終了した約2時間半後、佐賀競馬場で地方競馬の「ダービーシリーズ」が開幕。その皮切りレースとなった「九州ダービー栄城賞」は、1.2倍の圧倒的支持を受けた牝馬スーパージンガが期待に応え、鞍上の真島正徳騎手がムチを使うことなく持ったままで5馬身差の圧勝。4月の「佐賀皐月賞」につづき、九州三冠の二冠目も難なく奪取した。
スーパージンガの生まれ故郷は、浦河町のバンブー牧場。バンブーアトラス(日本ダービー)、バンブーメモリー(安田記念(G1)、スプリンターズステークス(G1)) 、バンブービギン(菊花賞(G1))、ティコティコタック(秋華賞(G1))、バンブーエール(JBCスプリント(Jpn1))、ビッグアーサー(高松宮記念(G1))などのG1馬を送り出してきた名門牧場で、昨年は北海道トレーニングセールに上場した生産馬ブラックカシミールの2016(父バンブーエール)が4860万円(税込)の最高値で取引されて話題となった。
スーパージンガはティコティコタックの孫にあたり、同牧場が大切につないできた牝系の出身。その幼少期のエピソード等はグランダム・ジャパン3歳シーズン「ル・プランタン賞」優勝時のレポート(https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_97921)をご覧いただくとして、今回はダービー制覇の喜びをバンブー牧場の竹田辰紀社長に伺った。
「レースはインターネットの中継で見ていました。道中は5番手ぐらいにつけていたので前をうまくかわせるかなと思っていましたが、3~4コーナーで先頭に立ったときには勝利を確信しました。圧倒的人気になっていたとはいえ、牡馬相手ですからね。そう簡単にダービーは獲らせてもらえないかもしれないと思っていましたが、そんな心配を他所に強い勝ち方をしてくれました」とレースを振り返る。
スーパージンガはその3週間後、高知競馬場に遠征してダービーシリーズ第7戦の「高知優駿」に出走。ここでも1番人気に支持されたが、いつもの走りは影を潜め5着に敗れてしまった。「もともと420kg台の小さな馬ですし、思った以上に輸送が堪えたのかもしれませんね。初遠征、初コースと初物づくしだったのも、繊細な牝馬にとっては厳しい条件だったように思います」と生産馬を思いやる。佐賀移籍後、初めて連対を外す結果となったが、地元に戻った次走の「佐賀王冠賞」では11連勝中だったハッピーハッピーを退けて優勝。改めて力のあるところを証明して見せた。
そして前回の取材時はまだ生まれて1ヶ月ほどだったスーパージンガの半弟(父ビッグアーサー)も、バンブー牧場の放牧地で健やかに育っているようだ。「先日、管理することになる杉山調教師(栗東)が当歳馬を見に来られて、『馬体にボリュームがあって良い馬ですね』と感心しておられました。このまま順調に成長してほしいと願っています」と当歳馬の未来にも期待を寄せる竹田さん。
スーパージンガがデビューしたホッカイドウ競馬では今年、9年ぶりの三冠馬(リンゾウチャネル)が誕生。このあと佐賀競馬場で9月1日(日)に行われる「ロータスクラウン賞」は九州三冠の最終戦となり、こちらは2012年のエスワンプリンス以来、7年ぶりの三冠が懸かる一戦となる。同じ年に北海道と九州で三冠馬が誕生──。そんなミラクルが起きることを期待しよう。