重賞ウィナーレポート

2019年07月07日 七夕賞 G3

2019年07月07日 福島競馬場 曇 稍重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミッキースワロー

プロフィール

生年月日
2014年02月26日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:15戦4勝
総収得賞金
364,920,000円
トーセンホマレボシ
母 (母父)
マドレボニータ  by  ジャングルポケット
馬主
野田 みづき
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
菊沢 隆徳
騎手
菊沢 一樹
  • R厩舎はCBC賞(G3)(レッドアンシェル)に続く、育成馬の重賞勝利となった
    R厩舎はCBC賞(G3)(レッドアンシェル)に続く、育成馬の重賞勝利となった
  • 「この勝利で厩舎スタッフの意気も更に高まりました」と話す佐々木厩舎長
    「この勝利で厩舎スタッフの意気も更に高まりました」と話す佐々木厩舎長

 セレクトセール2019の前日となる7月7日、ノーザンファーム空港の佐々木厩舎長は、ノーザンホースパークの特設会場で、上場馬たちの馬見せの補助を行っていた。

 それでも育成馬のミッキースワローが出走した七夕賞(G3)の時間だけは持ち場を離れ、ノーザンファームのブースに備えられたTVの前にいた。

 「これまで戦ってきたメンバーからしても、トップハンデ(57.5㎏)は仕方ないと思っていました。久しぶりに菊沢騎手が手綱を取ってくれましたが、積極的なレースを見せてくれると期待していましたし、その通りの好騎乗だったと思います」(佐々木厩舎長)

 デビュー4年目となる菊沢騎手は、3歳2月のメイクデビューから5戦続けて、父菊沢隆徳師が管理するミッキースワローに騎乗している。しかしながら、叔父に当たる横山典弘騎手に乗り替わったセントライト記念(G2)で初重賞制覇をあげてからは、約2年に渡って騎乗機会から遠ざかっていた。

 一方、ミッキースワローもこのセントライト記念(G2)を最後に勝利から遠ざかっていた。

 「育成時から独特と言える乗り難しさがありました。決して体質も強くなかったですし、菊沢先生や厩舎スタッフの皆さん、そしてノーザンファーム天栄のスタッフも管理が難しかったと思います」(佐々木厩舎長)

 その意味ではセントライト記念(G2)を勝ってもなお、まだ競走馬としての完成には、ほど遠かったかのかも知れない。4歳時はAJCC(G2)で2着こそあれど、勝ち鞍を上げられず、今年の新潟大賞典(G3)の2着でようやく重賞2勝目が見えてきたかと思いきや、続くエプソムC(G3)では2番人気を大きく裏切る10着に敗れている。

 「前走(エプソムC(G3))は直線で前が開かなかったですし、セントライト記念(G2)もそうですが、やはりコーナーが多いコースの方が力を発揮できるのでしょう。その意味では七夕賞(G3)はミッキースワローの脚質に合っていたレースともなりましたし、無理なくポジションを取りながら、気持ちよさそうに走っている姿を見て、これなら行けるのではと期待もしていました」(佐々木厩舎長)

 3コーナーで一気に捲っていったミッキースワローは、その勢いのままに先頭に立つと、トップハンデもなんのその、後続の追撃を振り切ってゴール。ミッキースワローにはセントライト記念(G2)以来、菊沢騎手にはデビュー4年目にして初めての重賞勝利となった。

 この勝利を共に喜んだのが、ミッキースワローのオーナーである野田みづきさんだった。しかもミッキースワローは、セレクトセール2014の取引馬であり、そのこともまた、佐々木厩舎長は嬉しかったと話す。

 「オーナーにこの馬を選んでいただけたからこそ、自分の育成厩舎で管理をすることができたわけですし、こうして喜びを分かち合うこともできました。素晴らしい繋がりを持たせてくれたミッキースワローには感謝しかありません」(佐々木厩舎長)

 ミッキースワローだが、次走はオールカマー(G2)出走を予定。セントライト記念(G2)を制した中山コースであり、コーナーを4つ回るコースというのもまた、ミッキースワローの脚質には向いていると言える。

 「そこでも弾みをつけて、秋のG1シーズンは更なる活躍を期待したくなります」と話す佐々木厩舎長。オールカマー(G2)でミッキースワローがどんなレースを見せてくれるか楽しみになってくる。