2019年06月30日 CBC賞 G3
優勝馬:レッドアンシェル
プロフィール
- 生年月日
- 2014年04月09日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/青鹿毛
- 戦績
- 国内:15戦5勝
- 総収得賞金
- 224,575,000円
- 母 (母父)
- スタイルリスティック(USA) by Storm Cat(USA)
- 馬主
- (株) 東京ホースレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 庄野 靖志
- 騎手
- 福永 祐一
7度目の重賞挑戦でついに初タイトルを掴んだレッドアンシェル。3歳時のアーリントンC(G3)で2着、1番人気に支持された京都金杯(G3)では、勝ち馬と0秒1差の3着と惜しいレースも続いていただけに、関係者にとっても嬉しい勝利となった。
「この血統ならではと言える気むずかしさもあってか、馴致には手を焼かされました。テンションも上がりやすかったので、騎乗育成に入ってからも、そこには気を使いながら調教を進めてきました」とノーザンファーム空港の佐々木淳吏厩舎長は育成時を振り返る。その一方で柔軟な動きや、スピード能力の高さには目を見張るものがあり、それが実証されたのが、新馬戦、そしてもみじSの連勝だったとも話す。
その後は気性面の難しさが出たのか、勝ちきれないレースが続いたレッドアンシェルは、4着に敗れたNHKマイルC(G1)の後、ノーザンファーム空港へと帰ってきている。デビュー前よりも馬体は大きくなり、また気性面も闘争心と置き換えた場合には許容範囲だったと話す。
「精神面は大人になっていたとはいえ、管理をしていただいている庄野厩舎だけでなく、ノーザンファームしがらきのスタッフも管理がかなり難しかったのではと思います、そこで取り組んで来たことが、今の活躍に繋がってきたのだと思っています」(佐々木厩舎長)
準オープンに降級してからは勝ちきれないレースが続いていたレッドアンシェルであったが、デビューしてから初めての芝1200mとなる彦根Sを快勝すると、続くCBC賞(G3)では、重賞勝ち馬を向こうに回し、1番人気の評価を集める。
「気むずかしさこそあれど、育成時は決して引っかかる馬ではなかったので、スプリントでの勝利は意外でした。それでも競馬を見ていても、マイルだと終い最後が甘くなっていましたし、実際に芝1400mを使い出すようになってから終いの甘さが解消されてきたような印象もありました」(佐々木厩舎長)
午前中から強い雨が降りしきり、不良馬場で行われた今年のCBC賞(G3)であったが、稍重で行われた新馬戦を勝利していたように、渋った馬場でも好走歴のあるレッドアンシェルにはまるで関係が無かった。
「新馬戦もバランスが取れていた走りを見せていましたし、マンハッタンカフェ産駒は多少馬場が悪くなってもこなしてくれるイメージがあったので不安は無かったです」(佐々木厩舎長)
すんなりスタートを決めると、内の先行勢を見ながら中団からレースを進めたレッドアンシェルは、最後の直線では馬群の真ん中に進路を取り、内で粘り混むアレスバローズをゴール前で力強く交わしていく。
「完勝でしたね。福永騎手とも手が合っているのでしょうし、レッドアンシェル自身も更に成長した姿を立証してくれたレースになりました」
レース後、陣営からは間隔を開けたローテーションが組まれることが発表されたが、それは秋の大一番である、スプリンターズS(G1)も視野に入ってきたからであろう。
「スプリンターズS(G1)もそうですが、CBC賞(G3)と同条件である高松宮記念(G1)も楽しみになってきます。育成厩舎にとっても芝のスプリントの活躍馬はあまりいなかっただけに、今後はレッドアンシェルに大きなタイトルを期待したくなります」(佐々木厩舎長)