重賞ウィナーレポート

2019年06月16日 函館スプリントS G3

2019年06月16日 函館競馬場 小雨 稍重 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カイザーメランジェ

プロフィール

生年月日
2015年04月29日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:24戦5勝
総収得賞金
157,811,000円
サクラオリオン
母 (母父)
サクラジュレップ  by  サクラプレジデント
馬主
友水 達也
生産者
谷岡スタット (静内)
調教師
中野 栄治
騎手
江田 照男
  • お祝いの花や品物でいっぱいのオフィス
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  • サクラオリオン-1
    サクラオリオン-1
  • サクラオリオン-2
    サクラオリオン-2
  • サクラローレルも顔を出してくれた
    サクラローレルも顔を出してくれた
  • サクラオリオンやサクラローレルが暮らす厩舎
    サクラオリオンやサクラローレルが暮らす厩舎

 JRA北海道シリーズ函館開催の開幕を華々しく飾るはずの「第26回函館スプリントステークス(G3)だったが、禁止薬物騒動で競走除外馬が6頭出たため、6月16日、7頭立てで行われた。レースでは、5番人気のカイザーメランジェが好スタートから先手を奪い、楽なマイペースに持ち込むと最後の直線では軽快に逃げきり1分8秒4で優勝、重賞初制覇を飾った。

 カイザーメランジェは父サクラオリオン、母サクラジュレップ、母の父サクラプレジデントという血統で新ひだか町静内にある谷岡スタットの生産馬。生産から育成・調教に至るまで全てを一貫して行う総合牧場だ。

 谷岡スタット顧問、谷岡毅さんは出張先からテレビ中継でレースを見ていたそうだ。「頭数が少ないレースになりましたのでチャンスはかなりあると思っていました。江田騎手は周りの馬の脚色を予測していたようで、「この位置だと十分に行ける」というポジションをずっとキープしていましたね。鞭もほとんど使っていなかったですし本馬も自分の競馬が出来ていました。楽に勝てたように見えますがベテランジョッキーの上手さが勝利を導いてくれましたね。」と笑顔で鞍上との名コンビを称えた。

 カイザーメランジェの父サクラオリオン(新和牧場生産)、母サクラジュレップの父サクラプレジデント(谷岡牧場生産)共に谷岡顧問にとっては縁のある馬。その馬同士の、いわば夢の配合で誕生した馬が重賞勝ちをしてくれた事に喜びも一層大きなものになった。「オリオンは上背があって太らない、そして品がある典型的なヨーロッパのサラブレッドの容姿で、芝もダートもこなせる素晴らしい種馬です。競走馬時代には故障から復活して重賞勝ちを成し遂げるタフで頑張り屋な一面も併せ持っています。ディープインパクトと同世代、同厩舎で池江調教師からは「ディープインパクトと併せ馬ができるのはサクラオリオンしかいないよ」と言われるくらいスピードがある馬だったのですが残念ながら故障が原因で引退し、種牡馬として第二の生活をスタートしました。母サクラジュレップはサクラゴスペル(2015年 京王杯スプリングカップ(G2))の2歳年下の全兄弟です。サンデーサイレンスの血統が入っていますので多少気が強い所はありますが、馬体が大きくて人間の言葉を理解して気持ちを受け入れてくれるような利口な馬です。ここにオリオンのDNAが入ればきっと活躍してくれるはずだという思いを込めた配合でした。カイザーメランジェはサクラオリオンに似て生まれて来たので思い願っていた馬でしたよ、丈夫に走ってくれたら良いなと思っていました。特に気にかけて見ていましたが、病気やケガなどなく、いつも元気で順調に育ってくれました。丈夫な所は今も健在ですね。母サクラジュレップにとっては初仔でしたが良い母親ぶりできちんと育児をしていました。繁殖馬を持つならこういうタイプが良いですね。」

 谷岡真喜代表も「除外馬が多数出て、条件が違う中で結果を出してくれるなんてびっくりしました。本当に運が良い馬だと思います。来年はオリオンのお嫁さんが増えるかもしれませんね。」と笑顔が弾けた。

 「馬は人の心を読む」と実感している谷岡顧問がいつも大切にしているのは馬に話しかける事なのだそうだ。「日常でも、治療の時も絶えず会話をするのです、馬はちゃんと聞いていますよ。人間と同じで馬にもそれぞれの個性がありますからみんながイライラしない環境をどう作れるかも大事に考えています。そこで上手くコミュニケーションを取れるように気を配って、人間と信頼関係を築けるような生産馬を送り出しています。私が大好きなサクラオリオンの仔がこんなに大きな喜びを味あわせてくれるなんて本当に嬉しいです。これからどんどん活躍してくれる予感がしますので、ファンの皆様も応援して下さい!」と愛馬にエールを送った。