2019年04月06日 NZトロフィー G2
優勝馬:ワイドファラオ
プロフィール
- 生年月日
- 2016年04月03日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:4戦2勝
- 総収得賞金
- 204,153,000円
- 母 (母父)
- ワイドサファイア by アグネスタキオン
- 馬主
- 幅田 昌伸
- 生産者
- フジワラフアーム (静内)
- 調教師
- 角居 勝彦
- 騎手
- 内田 博幸
NHKマイルC(G1)のトライアルレースとなるニュージーランドトロフィー(G2)が4月6日に中山競馬場で行われ、4番人気のワイドファラオが逃げ切り優勝した。
本馬は、新ひだか町を中心に生産・育成牧場を所有するフジワラファームで産まれ育った。代表取締役の藤原俊哉さんは、競馬場でオーナーのご家族とレースを観戦したそうだ。
レース前から本馬への手応えはあったようで「休養明けだった分、プラス12㎏と余裕がありましたが、パドックを見ていい状態だなぁと感じていました。内枠でしたし、スタートさえよければ恥ずかしいレースはしないと思っていました。」とレース前の期待を述べ、「道中をいいペースで進みましたね。4コーナーをまわりきった辺りで、このままいけるという気持ちになりました。あとはひたすら『がんばれ、がんばれ』って願っていました。馬主席だったので大きな声は出せませんでしたが、ゴールした瞬間『やったー』と心の中で声を挙げ、その後皆で喜びを分かち合いました。久しぶりに応援に行った競馬場で最高の気持ちを味わってきました。」とレースを振り返り嬉しそうな笑顔を見せた。
ワイドファラオの母ワイドサファイアは気性も子育ても少し強い面があるものの、人には従順な馬だという。ワイドファラオの馬体はどちらかと言うと母に似ているそうだ。「産まれた時から筋肉の質が柔らかく、芝向きの馬かなぁと思っていました。性格も従順でしたし、調教もしやすかったです。『背中が良い』と当時から育成スタッフの評価も高かったですよ。兄たちは小柄でしたが、本馬は牧場を506kGで退厩している程大きな馬体でした。じっくり進める予定でしたが、仕上がりが早く、2歳の暑くなる前に移動することができたようにとにかく順調な馬でした」と藤原代表取締役は当時を振り返った。
牧場で放牧地を案内してくれた繁殖スタッフの伊東さんも「当歳時からとにかく良い馬でした」と話す。「母の産駒は母に似ていながら父の良いところを出すので毎回タイプの違う仔が産まれます。今後もとにかく無事に、そして大きいところを勝ってほしいですね。」と活き活きとした表情で話してくれた。
「本当はワイドファラオと毎日杯(G3)を勝ったランスオブプラーナは同じ路線だったかもしれないんですよ。でも前走で1800mの距離がもったのでランスオブプラーナは毎日杯(G3)へ向かうことになりました。」と藤原代表取締役が話すように、前週の毎日杯(G3)を見事勝利し皐月賞(G1)へと駒を進めることになったランスオブプラーナも、フジワラファームの生産馬だ。さらに、スプリングS(G2)を勝ったエメラルファイトも実は当牧場で育成されている。「3頭は牧場で一緒に育ちました。この世代の生産馬の牡馬の割合は少なかったのですが、みんな良い馬でしたね」。出身馬3頭が重賞を制するという素晴らしい世代だが「たまたまだと思いますが、もしあるとすれば、現場のスタッフが一生懸命手をかけてくれているおかげです。スタッフには、走る馬をつくるために良いと思うことは日頃からどんどんチャレンジしてもらっています。今はお産のシーズンに入って一層慌ただしいですが、いつも頑張ってくれるスタッフたちに感謝しています」と、控え目な言葉でにこやかに話す。
優先出走権を獲得した次走NHKマイルC(G1)に向け「頑張って勝ってほしいですね。」と本馬へエールを送る藤原代表取締役。今のフジワラファームの勢いが、ワイドファラオにとって更なる追い風となることを期待したい。