重賞ウィナーレポート

2019年02月17日 フェブラリーS G1

2019年02月17日 東京競馬場 晴 良 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:インティ

プロフィール

生年月日
2014年04月08日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:8戦7勝
総収得賞金
329,128,000円
ケイムホーム(USA)
母 (母父)
キティ  by  Northern Afleet(USA)
馬主
武田 茂男
生産者
山下 恭茂 (荻伏)
調教師
野中 賢二
騎手
武 豊
  • 当歳時のインティ(提供・武田ステーブル)
    当歳時のインティ(提供・武田ステーブル)
  • 母キティと(提供・武田ステーブル)
    母キティと(提供・武田ステーブル)
  • 放牧地を元気に駆け回る当歳時だったという(提供・武田ステーブル)
    放牧地を元気に駆け回る当歳時だったという(提供・武田ステーブル)

 2月17日に東京競馬場で行われた上半期のダート最強馬決定戦「第36回フェブラリーステークス(G1)」は浦河町の山下恭茂氏生産で1番人気のインティ(牡5、父ケイムホーム、栗東・野中賢二厩舎)が1分35秒6で逃げ切り勝ち。一昨年6月からの連勝記録を「7」として、1月の東海ステークス(G2)に続く重賞2連勝。通算成績を8戦7勝とした。

 同馬は浦河町の武田ステーブル育成馬。かつて、メジロ牧場で場長として辣腕を振るっていた武田茂男氏が1997年に立ち上げた育成牧場だ。アドマイヤコジーン(朝日杯3歳S(G1))ファインモーション(秋華賞(G1))トーホウジャッカル(菊花賞(G1))などを送り出している。

 フェブラリーステークス(G1)当日は、競馬場で愛馬に声援を送っていたという武田さんは、レース前に厩舎開業当時から付き合いがあるという野中賢二調教師と一緒に馬を見ていたそうだ。「(東京競馬場ダート1600mコースの)スタートの芝部分は心配していませんでした。ただ、インティにとって初めて経験する距離でもあり、前半の3ハロンが35秒を切るようなハイペースにならなければチャンスはあると思っていました」と話していたそうだが、武豊騎手が刻んだラップは35秒8。最後は連覇を狙うゴールドドリームに詰め寄られたものの危なげない逃げ切り勝ちでG1初勝利を飾った。

 「野中調教師のG1初勝利に立ち会えたことも嬉しいです」と言葉を続けた。

 生まれたばかりの頃のインティは「小さな馬でしたが、ハツラツとした元気な馬で食欲も旺盛でした」。そのせいかすくすくと成長し、中期育成を経て育成牧場へ移動する頃になると十分な馬体に成長していたという。同ステーブルの武田浩典専務は「化骨の成長がほかの馬よりも遅れていたので、ゆっくりと時間をかけて育てた馬です。走ることは好きな馬でしたが、いわゆる緩い馬でした。そのためなのかデビューした当時は落鉄をするケースも多く、しっかりとしたフォームで走れるようになるまで、レーススケジュールにあわせるのではなく、馬の成長にあわせた育成プランで育てた馬です。時間をかけることに理解いただいた野中調教師には頭が下がる思いです」

 育成牧場から厩舎へと移動する際に牧場ではアクシデントがあった。期待していたインティの半弟が病気のために亡くなってしまったのだ。スタッフ全員が肩を落としたが「インティには弟の分まで走ってもらおう」という思いで気持ちを切り替えたという。

 その言葉どおりにデビュー2戦目に勝ち上がると、その後は約1年にも及ぶ長期休養をはさみながら持ち前のスピードを武器に不敗の7連勝でダート界の頂点に立った。

 「これからは使えるレースも限られてくると思いますので、とにかく無事に。この馬らしい競馬をしてくれることを願っています」と期待に胸を膨らませている。