重賞ウィナーレポート

2019年01月20日 東海S G2

2019年01月20日 中京競馬場 曇 良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:インティ

プロフィール

生年月日
2014年04月08日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:7戦6勝
総収得賞金
329,128,000円
ケイムホーム(USA)
母 (母父)
キティ  by  Northern Afleet(USA)
馬主
武田 茂男
生産者
山下 恭茂 (荻伏)
調教師
野中 賢二
騎手
武 豊

 優勝馬にはフェブラリーS(G1)の優先出走権が与えられる第36回東海S(G2)は浦河町の山下恭茂さん生産で1番人気インティが好スタートから先手を奪い、そのまま後続をひきつけての逃げ切り勝ち。デビュー2戦目からの連勝記録を「6」とすると同時に、自身重賞初勝利を記録した。現在は日本軽種馬協会九州種馬場で種牡馬生活を送るケイムホームにとっては12年ファンタジーS(G3)(サウンドリアーナ)、16年武蔵野S(G3)(タガノトネール)に続くJRA重賞勝利となった。

 インティの育成を担当した武田ステーブルの武田茂男代表は「母親のキティも当牧場の育成馬でした。骨折のためデビューが遅れましたが、ノーザンアフリート産駒らしいスピード馬で、デビュー戦で経験馬相手に勝ち、5戦目で3勝しているように能力の高い馬でした」。その後、牡馬を相手に準オープン特別で2着するなど高いレベルで活躍したキティは通算19戦4勝2着5回で現役を引退。初年度の配合相手に選ばれたのがケイムホームだった。

 「基本的に、配合種牡馬の選定は牝馬が生まれたときに繁殖牝馬として残しやすい血統構成になるような種牡馬を選びます。キティの場合は、ダート適性を損なわずに次世代へ繋がるような配合をしたいと思い、ケイムホームを選びました。軽快なスピードを伝えるケイムホームは母系に入っても配合種牡馬を選びやすいタイプの種牡馬だと思っていましたが、ただ、正直言えば理屈ではなく、私自身がケイムホームが好きだったというのが1番の理由かもしれません」。牝馬が生まれたら、繁殖牝馬に残そう。そう思っていたそうだが、生まれた仔は武田さんの期待を良い意味で裏切る牡馬だった。

 「初仔ということを考えれば、悪い馬ではなかったですが、化骨の成長が思わしくなく、決して順風満帆に牧場時代を過ごした馬ではありませんでした。当時は、ここまでの馬だとは思いませんでした」と頭をかいた。

 それなりに手応えを感じていたそうだが、雄大な馬格を持て余すように馬の成長はゆっくりだった。

 「3歳夏までは、ダート馬にとって番組の選択肢がありません。インティは血統的にもダート適性の高い馬だと思っていましたので、無理をせずとことん馬と向き合おうと決めました」

 3歳4月のデビュー戦は経験馬相手に見せ場を作る程度だったが、そこから十分すぎるくらいに間隔を空けて使われた未勝利戦で後続を7馬身ほど置き去りにし、そこから1年近い休養をはさんで6連勝を記録している。

 「今の時代には珍しいような使い方ですが、厩舎の方々にご理解をいただいているのが大きいと思います。大事に使っていただいたことが今の成績に繋がっていると考えています。今度はさらに強い相手との競馬になりますが、この馬らしい競馬をして欲しいです」とエールを送っている。