2019年01月06日 シンザン記念 G3
優勝馬:ヴァルディゼール
プロフィール
- 生年月日
- 2016年04月01日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:2戦2勝
- 総収得賞金
- 76,621,000円
- 馬主
- (株) G1レーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 渡辺 薫彦
- 騎手
- 北村 友一
今年最初の3歳重賞であり、近年では数々の活躍馬を送り出した「出世レース」としても知られるシンザン記念(G3)。昨年の優勝馬であるアーモンドアイは、その後、牝馬三冠を制してジャパンC(G1)も優勝。昨年のJRA年度代表馬にも選出された。
今年のシンザン記念(G3)も、将来有望と言えそうな馬が勝ち名乗りをあげた。アーモンドアイと同じロードカナロア産駒のヴァルディゼールは、道中はインコースを進み距離ロスを無くしながら、最後の直線ではスムーズに抜け出すセンスの良さで、デビュー2戦目にして初重賞制覇を果たした。
育成先となったのはノーザンファーム空港のB2厩舎。厩舎長である樋口政春厩舎長は、「厩舎としては昨年の京王杯スプリングC(G2)(ムーンクエイク)以来の重賞制覇となりました。クラシックに乗せられるような馬を送り出せたことも嬉しいです」と笑顔を浮かべる。
このシンザン記念(G3)では、前走と同じ444㎏の馬体重で出走してきたヴァルディゼール。この日の出走馬に入ると小柄に映ってはいたが、樋口厩舎長もまた、育成時における馬体管理の思い出を話してくれる。
「イヤリングからこちらに来た頃から小柄な馬ではありましたが、飼い葉食いもあまり良くなく、馬体を増やすことに苦労しました。ただ、脚元といった健康面は全く問題は無く、気性がいい上に乗りやすくて、動きも申し分なかったです」
もし、馬体の完成度が早かったのなら、ヴァルディゼールの調教は順調に進み、デビュー時期もまだまだ早くなったに違いない。しかし、樋口厩舎長はまず体作りを優先させて、その後に調教の負荷をかけていった。
「向こうに送り出す頃には馬体も充実していて、動きも申し分ありませんでした。この状態なら新馬戦からいいレースができるだろうと思っていましたが、その通りの結果を出してくれたときには良かったと思えました」
11月に迎えたメイクデビュー京都だが、1番人気の支持を集めたヴァルディゼールは、先行抜け出しから、2着馬に3馬身差を付ける快勝。その勝ち方を見た樋口厩舎長は、上のクラスでも戦える馬になると確信する。
「こちらにいた頃と同じように真面目に走っていてくれましたし、改めて折り合いの不安は無いとも確信できました。シンザン記念(G3)は北村(友一)騎手も上手く乗ってくれましたし、まだ距離が伸びても大丈夫だとも思えました」
レース後には、「抜け出してからフワフワしており、気性だけでなく体もまだ幼い」と北村騎手、管理をする渡辺薫彦調教師の双方から聞かれていたが、それは重賞を勝ってもまだ、上積みがあることの証明とも言える。過去のシンザン記念(G3)を制した馬たちと同様に、ヴァルディゼールもまた心身共に更なる成長を遂げなから、G1タイトルへと上り詰めるのかもしれない。