2018年08月26日 新潟2歳S G3
優勝馬:ケイデンスコール
プロフィール
- 生年月日
- 2016年02月11日 02歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:3戦2勝
- 総収得賞金
- 219,521,000円
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 安田 隆行
- 騎手
- 石橋 脩
騎乗育成スタッフにとって嬉しさだけでなく、充実感もあると聞くのが2歳戦、しかも早い時期からの重賞制覇だという。新潟2歳S(G3)を勝利したケイデンスコールもまた、6月30日に行われたメイクデビュー中京でデビューを飾ると、7月の2歳未勝利戦で初勝利をあげ、そして新潟2歳S(G3)で重賞初勝利を飾ってみせた。
騎乗育成先はノーザンファーム早来の山内厩舎。山内大輔厩舎長にとっては、この2歳世代が育成を手がけてから3世代目となるが、1世代目からは皐月賞(G1)と毎日杯(G3)を制したアルアイン。2世代目からは生産馬では無いものの、朝日杯セントライト記念(G2)と京成杯(G3)を制したジェネラーレウーノの騎乗育成も行っている。
この新潟2歳S(G3)の勝利で、育成馬では3年連続の重賞制覇となったが、しかも、ケイデンスコールは山内厩舎長にとって、血統的にも思い入れの強い馬でもあった。
「母のインダクティは、育成スタッフだった頃に騎乗してきた馬ともなります。現役時は400㎏を切るような馬体重で競馬をしていたように小柄な馬でしたが、頑張ってレースをしてくれた姿が印象に残っています」
G2 6勝の成績を残したバランスオブゲームの半妹ともなるインダクティ。半弟のフェイムゲームも重賞6勝をあげており、血統面の期待も大きく繁殖入りを果たすと、初年度にワークフォースを父に持つネイルドイットが誕生。2番仔として誕生したのがケイデンスコールだった。
「母の印象が強かったので、馬体のサイズとしては平均に出たかなとは思いましたが、それでもこちらに来たばかりの頃は、決して目立った馬では無かったですね」
それでも父ロードカナロアから仕上がりの早さと、スピード能力の高さを受け継がれたケイデンスコールは調教が進むにつれて次第に頭角を現していく。調教が進んでいた同世代の育成馬たちとも互角以上の走りを見せていくようになり、いつしか早期入厩のプランも持ち上がるようになっていた。
「メイクデビューこそ敗れはしましたが(相手はデイリー杯2歳S(G2)を勝利したアドマイヤマーズ)、いい競馬を見せてくれましたし、続く未勝利戦の内容も良かったので、これなら上のクラスでも十分にやっていけると思いました」
この新潟2歳S(G3)では1番人気を背負ったケイデンスコールは、最後の直線で大外に進路を向けると、そこからメンバー中最速となる上がり33秒1の末脚を使い、先に抜け出していたアンブロークンをクビ差交わして優勝。セイウンワンダーやハープスターといった後のG1馬、そして叔父のバランスオブゲームも優勝馬としてその名を残した出世レースを制して見せた。
「やはり、この時期の重賞から勝ち馬を送り出せたことは嬉しいですし、育成スタッフのモチベーションの向上にも繋がります。管理をしてくださった安田隆行先生や厩舎の皆さん、そして、デビュー前や中間の調整を行ってくれたノーザンファームしがらきのスタッフが、いい状態でレースに臨ましてくれたことが、この結果として表れたと思いますし、改めて感謝したいですね」
そして、この仕事をしてきて縁のある血統馬での勝利もまた、個人的には嬉しいです、とも話した山内厩舎長。賞金的に来年のクラシックの出走も確実としたケイデンスコールには、山内厩舎としては、アルアイン以来となるクラシック制覇も充分に期待できそうだ。