2018年11月06日 金沢シンデレラC(中央認定)(GDJ)
優勝馬:パレスラブリー
プロフィール
- 生年月日
- 2016年04月01日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:5戦2勝
- 総収得賞金
- 13,275,000円
- 母 (母父)
- キャメロンバローズ by Singspiel(IRE)
- 馬主
- 西村 豊
- 生産者
- 稲原牧場 (平取)
- 調教師
- 角川 秀樹
- 騎手
- 畑中 信司
『グランダム・ジャパン2018』2歳シーズンの第3戦「金沢シンデレラC」は、北海道から遠征のブレイクフリー(1番人気)とパレスラブリー(2番人気)の一騎打ちに。逃げ切りを図るブレイクフリーをゴール前でパレスラブリーがきっちりとクビ差捕え、デビュー戦で圧勝をおさめて以来の2勝目を見事に重賞の舞台で飾った。
パレスラブリーの生まれ故郷は、平取町の稲原牧場。伝説の逃げ馬サイレンススズカが産声をあげた牧場として競馬ファンにはお馴染みだが、他にも1985年の宝塚記念馬スズカコバン、2007年の高松宮記念馬スズカフェニックスなど、多くの名馬を競馬場へ送り出してきた名門牧場だ。牧場の敷地内にはサイレンススズカの墓碑が建てられており、今でも命日には全国から多くのファンが訪れて花を手向けている。
「門別で走った重賞3戦(フルールC2着、リリーC3着、エーデルワイス賞(Jpn3)7着)は現地へ応援に行ってたのですが、全部同じ馬(アークヴィグラス)に負けちゃいました。ホッカイドウ競馬の2歳戦はレベルが高いので、遠征する今回はチャンスがあるかなと思っていましたが、道中は内でじっと我慢して直線よく捕え切りましたね。いい勝ち方だったと思います」と、稲原牧場の代表・稲原美彦さんはレースを振り返る。
「牧場にいた頃は特に目立ったところもなく、いたって普通の馬でした。馬体は当時から、牝馬にしては大きい方でしたね」と、パレスラブリーが牧場で過ごした時期を思い出す稲原さん。1歳春まで牧場で健康に育ち、その後、サイレンススズカも育成された二風谷軽種馬育成センターでのコンサイニングを経て、1歳夏のサマーセールに上場。453万6000円(税込)で落札され、数々の名馬を育ててきた北海道・角川秀樹厩舎からデビューすることが決まった。
パレスラブリーの母キャメロンバローズは、今年12歳になったシングスピール産駒。中央競馬で9戦して1勝、2着2回、3着1回という戦績を残し、引退後に縁あって稲原牧場で繁殖生活を送ることになった。「母のキャメロンバローズはあまり体が強くなくて、これまでに2回流産してしまったんですよ。今はシビルウォーの仔がお腹に入っているので、来年は無事に出産してほしいです」と母馬を紹介。ディープブリランテを交配した理由については、「今はサンデー系の繁殖牝馬が増えてなかなかサンデーサイレンスの血が入っている種牡馬を交配できないのですが、キャメロンバローズはその心配がないので、ダービーに勝ってディープインパクトの後継として期待されていたディープブリランテを選びました」と明かしてくれた。
「次は川崎のローレル賞に遠征し、そのあとJRAに移籍する予定だと聞いています。ローレル賞にはアークヴィグラスも出てくるそうですが、距離延びて逆転できないものかと密かに期待してるんですよ。あと血統的には芝も合うと思うので、JRAでどんなレースを見せてくれるかも楽しみです」と期待を膨らませる稲原さん。ホッカイドウ競馬でデビューした牝馬がグランダム・ジャパンの舞台を経て、より大きなステージへと羽ばたいていくサクセスストーリーがまた見られそうだ。