重賞ウィナーレポート

2018年09月01日 札幌2歳S G3

2018年09月01日 札幌競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ニシノデイジー

プロフィール

生年月日
2016年04月18日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
273,106,000円
ハービンジャー(GB)
母 (母父)
ニシノヒナギク  by  アグネスタキオン
馬主
西山 茂行
生産者
谷川牧場 (浦河)
調教師
高木 登
騎手
勝浦 正樹

 来春に行われるクラシックへの挑戦権をかけた札幌2歳ステークス(G3)は9月1日、JRA札幌競馬場で行われ、浦河町の谷川牧場生産6番人気ニシノデイジーが最後の直線で追い比べを制して優勝。通算成績を3戦2勝とした。

 谷川牧場は1913年創業。100年を超える歴史の中からタケホープ(ダービー、菊花賞、天皇賞(春))やタケフブキ(オークス)ミナガワマンナ(菊花賞)ほかチョウカイキャロル(オークス(G1))サクセスブロッケン(フェブラリーS(G1)、東京大賞典(Jpn1)、ジャパンダートダービー(Jpn1))などを送り出してきた。牝馬ながらに皐月賞(G1)で1番人気になったファンディーナやダート重賞の常連インカンテーションも、同牧場の生産馬だ。

 この日、谷川貴英社長は所用のために浦河町の牧場でレースを見守り、札幌競馬場には寿郎専務が足を運んだという。

 「パドックで馬を見たときに、ずいぶんと立派になったなぁ」という印象を受けました」と谷川寿郎専務。牧場時代から、骨量に恵まれ、しっかりした馬だったというが、470キロにまで成長し、重賞ゼッケンを付けて歩く同馬を頼もしく感じたという。

 「西山牧場の方々にとっては、思いいれのある血統だと思いますので、こうして活躍馬を送り出すことできて、ある意味で責任を果たせたような気持ちです」

 祖母のニシノミライは皐月賞馬セイウンスカイと桜花賞馬ニシノフラワーの間に生まれた西山牧場のホームブレッドホース。馬格に恵まれた牝馬だったが2着1回という成績で繁殖牝馬になっている。母ニシノヒナギクは、その初仔でもある。「セイウンスカイは札幌記念(G2)を、ニシノフラワーは札幌3歳S(G3)(レース名は当時)の勝馬でもありますから、札幌競馬場とゆかりの深い血統なのかもしれません」と、思い出したようにエピソードを話してくれた。

 「今回、人気はあまりありませんでしたが、函館競馬のデビュー戦、そして勝ちあがった2戦目の未勝利戦が将来性を感じさせてくれる内容だったので、レースを楽しみにしていました。3コーナー手前から上がっていったときはちょっと早いのかなとも思いましたが、こちらの思いを良い意味で裏切ってくれる強い内容だったと思います。」と大人びたレース内容でクラシックの切符を手中にした愛馬を称えた。

 「私たちで馬をお預かりしたのは1歳秋までです。当時から高い点数を与えられる馬だとは思っており、育成の課程も順調そのものでしたが、正直言えば2歳重賞を勝つというイメージはありませんでした。育成した西山牧場の方々や高木厩舎のみなさんのおかげと感謝しています」と言葉を続け「おそらく、賞金的に皐月賞(G1)、そしてダービー(G1)への出走権利を得たとは思いますが、頂点を目指す戦いは始まったばかり。これから強い馬がどんどん出てくるとは思いますが、それでも、まだ荒削りな部分を多く残すこの馬も可能性を秘めていると思っています。このあとも無事であることを祈るばかりです」と期待に胸を膨らませている。