2018年07月01日 ラジオNIKKEI賞 G3
優勝馬:メイショウテッコン
プロフィール
- 生年月日
- 2015年04月17日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/青鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦4勝
- 総収得賞金
- 162,280,000円
- 母 (母父)
- エーシンベロシティ(USA) by Lemon Drop Kid(USA)
- 馬主
- 松本 好雄
- 生産者
- 下屋敷牧場 (三石)
- 調教師
- 高橋 義忠
- 騎手
- 松山 弘平
夏の3歳限定重賞として歴史ある一戦、第67回ラジオNIKKEI賞(G3)が7月1日に福島競馬場で行われ、2番人気に支持されたメイショウテッコンが先行策から直線で抜け出し、ゴール前で猛追する1番人気フィエールマンを半馬身差で退けて、重賞初制覇を飾った。
同馬を生産したのは新ひだか町三石の下屋敷牧場。これまで、2000年の桜花賞(G1)2着馬マヤノメイビーや、昨年のサウジアラビアロイヤルC(G3)で3着になったカーボナードなどの活躍馬を送り出しているが、JRAの重賞はこれが初制覇。福島競馬場で記念すべき勝利の瞬間に立ち会ったという同牧場の下屋敷千尋代表にレースを振り返ってもらうと「(前走の内容がよかったので)チャンスはあるかなと期待していました。道中、控える展開になって折り合いを欠くような場面もありましたが、それで押し切ってしまったのですから本当に良く頑張ってくれました。改めて能力の高さを感じました。これまでにも生産馬が重賞を勝つチャンスは何度かありましたが、牧場としてもやっとタイトルを手に入れることができて嬉しい限りです」と、満面の笑みで喜びを噛みしめていた。
「母のエーシンベロシティは、その当時まだ日本では馴染みの少ないレモンドロップキッド産駒ということで現役時代から注目していたんです。それで引退と同時に購入し、繁殖牝馬として迎え入れ、2番目の産駒として誕生したのがメイショウテッコンでした。自分がマンハッタンカフェが好きで配合したのですが、生まれた当初から足が長くてスラッとした、いかにも父似だなという印象でした。母も現役時代は相当おてんばだったと聞いてましたが、この子も放牧地の群れの中ではヤンチャながらも目立つ1頭だったので、当時から期待をしていたのです」
その後、1歳時のセレクションセールでメイショウの冠でお馴染みの松本好雄オーナーが1,728万円(税込)で購買。栗東の高橋義忠厩舎に所属することになり、翌年9月に小倉競馬場でデビュー、3番人気ながら見事に新馬戦を勝利で飾った。
「セレクションセールで売れた後はすぐに移動したので、その後は人づてにしか様子を聞いていませんでしたが、育成場でも『これは走りそうだ』と評判になっていたそうです。ちょうどこの少し前の世代から、年間を通して夜間放牧をするようになったのですが、その効果か馬も今まで以上に丈夫に育つようになり、生産馬の成績も上がってきていたので、『もしかしたら』という期待はしていましたが、その後も順調に勝ち星を積み重ね、重賞まで勝ってくれたのですから、今までの取り組みが間違っていなかったことを証明できて何よりです」
今年で13歳となる母エーシンベロシティだが、今月開催のサマープレミアムセールにはメイショウテッコンの半妹にあたるゴールドアリュール産駒が上場。そして今年はブラックタイドの牝馬が誕生したのだそうだ。「母親がどちらかというとダート色の強い血統背景なのですが、セールに出る牝馬もゴールドアリュールなのに芝馬のような綺麗な体型で素軽い感じの子が出ました。当歳のブラックタイドの牝馬も、メイショウテッコンが生まれた当時の雰囲気と似ているので、これも楽しみな1頭です。仔出しが年々良くなってきているので繁殖牝馬としても今がピークなんでしょうし、今年はハーツクライを種付けして無事に受胎したので、今から産駒の誕生を心待ちにしています」
春のクラシックには間に合わなかったが、重賞ウイナーの仲間入りをして秋への飛躍に弾みをつけたメイショウテッコン。同じく夏の上がり馬として菊花賞(G1)を制した父マンハッタンカフェとの、親子2代に渡るチャレンジは幕を開けたばかりだ。