重賞ウィナーレポート

2018年05月06日 新潟大賞典 G3

2018年05月06日 新潟競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スズカデヴィアス

プロフィール

生年月日
2011年05月08日 07歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:33戦5勝
総収得賞金
254,890,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
スズカローラン  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
永井 啓弍
生産者
辻 牧場 (浦河)
調教師
橋田 満
騎手
三浦 皇成
  • 辻牧場の看板
    辻牧場の看板
  • ハッピースプリント、アドマイヤデウスと共に駆け回った
    ハッピースプリント、アドマイヤデウスと共に駆け回った
  • 母スズカローランと父マクフィの半妹
    母スズカローランと父マクフィの半妹

 新潟競馬場で行われた第40回新潟大賞典(G3)は5番人気のスズカデヴィアスが嬉しい重賞初勝利を飾った。

 この馬は、父キングカメハメハ、母スズカローラン、母父サンデーサイレンスという血統。浦河町にある老舗、辻牧場の生産馬だ。辻牧場ではこれまでにニホンピローエース(1966年皐月賞)、インターグロリア(1977年桜花賞、エリザベス女王杯)ほか、アドマイヤフジ(2006年日経新春杯(G2)、08、09年中山金杯(G3))、ハッピースプリント(2013年全日本2歳優駿(中央交流)Jpn1)、アドマイヤデウス(2015年日経賞(G2))、アンビシャス(2016年産経大阪杯(G2))など、名の知れた重賞勝ち馬を輩出して来た。

 今回、スズカデヴィアスは中団内側を進み、最後の直線で先行馬の間から力強く抜け出して後続馬を突き放す堂々の勝利だった。

 2014年1月に京都の新馬戦でデビューし、3歳春には阪神のすみれSに優勝。その後は長くオープン級で活躍し、2015年の京都記念(G2)でラブリーデイにハナ差2着、2017年の金鯱賞(G2)3着、福島記念(G3)2着と惜敗が続いていた中で待ちに待った重賞勝ちを収めた。

 牧場スタッフの皆と休憩室でレースを見ていたという繁殖スタッフの大野康一さんは、このレースでは勝利をあげられると確信を持っていたそうだ。「最後の直線でよく伸びてくれました。今回は勝てると予想していましたが、あんなに速い脚を使えるのかとびっくりしましたよ、良い勝ち方でしたね。声援にも熱が入りました。惜しいレースが続いていましたが7歳で重賞勝ち出来て嬉しいです。」と充実した表情で勝利を喜んでいた。

 辻牧場の繁殖の現場で数えきれないほどの馬に携わってきた大野さんによると、扱いやすくて大人しい馬だった当歳時のスズカデヴィアスには強く印象に残っているエピソードがあるそうで「生まれて2~3日後に母仔でパドックに放したのですが、草を食べている母スズカローランの周りをいつまでもグルグルと走り続けて、それはもうあきれるくらいでした。ミステリーサークルのように足跡の円ができたんですよ。よほど走るのが好きなんだなと思いました。」と懐かしそうに教えてくれた。「青草が生えて来た時期に母馬がたっぷり草を食べて、体調が万全な状態で受胎するのは生まれてくる仔馬のためと考えています。デヴィアスも遅生まれでしたが順調に育ってくれました。この年はハッピースプリントやアドマイヤデウスも同世代で、鵜苫沢の放牧地で一緒に駆け回っていました。広大な放牧地を自発的に仲間と走り回るうちに基礎体力がつき、集団で競い合って馬ごみの中でも怖気づいたりひるんだりしない強い馬になっていったのではないかと思います。」

 繁殖厩舎では無事にお産をしたらもう安心、という事ではなくその後の健康状態の維持にものすごく神経を使うそうだ。「当歳時はとにかく触るようにしています。この先環境が変わっても直ぐに順応して可愛がってもらえるように、ある日は強めに、また違う日は弱めになどパターンと人を変えながら、どんなに忙しくても必ず触っています。そして健康管理にも力を入れています。グンと成長する時期にもたつかないできちんと成長できるようにリスクを最小限にしようと意識しています。そんな日々が続くのは大変なのかもしれないですが、この仔達がいてくれるから頑張れるんです。それぞれ個性があるのでかわいいですし面白いんですよ。繁殖牝馬のレベルもあがって来ているのでこれからもとても楽しみですね。」技術と手間と愛情を惜しみなくかけてくれるスタッフに応えるように生産馬から毎年のように重賞勝ち馬が出てきている。

 「デヴィアスは7歳ですがまだ若々しいので、G2やG3のレースで実績を残してG1に挑戦してほしいですね。半妹のレイホーロマンスも頑張っていますし、今年の当歳で半妹の父マクフィも期待を持って見ています。」7歳になり身に着けた円熟のレース展開が、次走真夏の北海道を魅了してくれるはずだ。