2018年02月11日 京都記念 G2
優勝馬:クリンチャー
プロフィール
- 生年月日
- 2014年03月10日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:8戦3勝
- 総収得賞金
- 420,804,000円
- 父
- ディープスカイ
- 母 (母父)
- ザフェイツ by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- 前田 幸治
- 生産者
- 平山牧場 (新冠)
- 調教師
- 宮本 博
- 騎手
- 藤岡 佑介
4歳以上の古馬による伝統の「第111回京都記念(G2)」が2月11日、京都競馬場で行われた。折からの雨で馬場状態はあいにくの重馬場だったが、明け4歳世代の皐月賞馬、ダービー馬、エリザベス女王杯(G1)勝ち馬含む4頭のG1勝ち馬が顔を揃えた豪華メンバー。しかし勝ったのは菊花賞(G1)2着、皐月賞(G1)4着とあと一歩のところで涙を飲んできた4番人気のクリンチャーだった。
クリンチャーはディープスカイ産駒の4歳馬。1994年のセントライト記念(G2)2着馬ラグビーカイザーや2010年のシルクロードS(G3)3着馬ワキノブレイブなどを生産してきた新冠町の平山牧場生産馬で、ノースヒルズグループ代表、前田幸治氏の所有馬。クリンチャーの母ザフェイツが前田氏(所有名義はノースヒルズマネジメント)の所有馬であったことから同氏の目に止まり、近隣のノースヒルズで中期育成を、その後鳥取県の大山ヒルズで競走馬としての基礎を叩き込まれた。
大山ヒルズの齋藤慎マネージャーは、レース前「菊花賞(G1)のあと、有馬記念(G1)に向かうというプランもありましたが、早めに目標を切り替えてここに挑みました。3歳時と比べるとずいぶん馬がしっかりとしており、成長を感じていました。とはいえ同世代の皐月賞馬、ダービー馬が顔を揃えた1戦。今回は先々につながるようなレースをして欲しいという思いでレースを見ていました」と牧場のテレビで育成馬を応援していたという。
藤岡騎手に促されるように好位のインコースをロスなく進んだクリンチャーは京都競馬場外回りコースの3コーナーで先行集団を射程圏内に捉えると、最後の直線では先に抜け出したモズカッチャンを捕らえ、追い込むアルアイン、レイデオロの追撃を抑えて先頭ゴールイン。この勝利は平山牧場としては初の、そしてノースヒルズグループとしては138勝目の重賞タイトルとなった。
齋藤マネージャーは「入厩当初からどちらかといえば晩成型という印象でしたが、気持ちの入っている馬で、当時から豊かな将来性を感じていました」と振り返るが、もっとも印象に残っているのは坂路で初めて追いきったときのことだそうだ。「まだ馬は子供でしたが、思った以上に良い時計が出たんです。そのときに高い能力を感じました」。
今後は、阪神大賞典(G2)から天皇賞(春)(G1)を目指すという。「まだまだ伸びしろのある、奥のある馬だと思います。強いメンバー相手にG2競走を勝ってくれましたので、期待は高まりますが、長い競走生活を考えれば、まだ通過点。無事ならば、夏にまた牧場で再会できる日を楽しみにしています」と期待どおりの成長に目を細めている。