重賞ウィナーレポート

2018年02月12日 クイーンC G3

2018年02月12日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:テトラドラクマ

プロフィール

生年月日
2015年02月16日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:5戦2勝
総収得賞金
70,480,000円
ルーラーシップ
母 (母父)
リビングプルーフ  by  ファルブラヴ(IRE)
馬主
吉田 勝己
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
小西 一男
騎手
田辺 裕信

 NHKマイルC(G1)を逃げ切り勝ちのメジャーエンブレム、ヴィクトリアマイル(G1)を連覇ヴィルシーナ、ホエールキャプチャ、コイウタなど、勝ち馬から蒼々たる活躍馬を輩出しているクイーンC(G3)。今年、この出世レースを制したのは、3番人気の支持を集めたテトラドラクマだった。

 育成を行ったのはノーザンファーム空港のC-6厩舎。過去にはショウナンパンドラ(ジャパンC(G1)、秋華賞(G1))を始め、多くの活躍馬を育成してきている。

 「厩舎に来た頃から立派な馬体をしていて、性格は真面目。動きにも力強さがあり、馬体減りも気にならないほどにしっかりとしていたと、全ての面で合格点をあげられる馬でした」と話すのは島田崇厩舎長。調教も順調に進められたテトラドラクマは、4月3日にはC-6厩舎を離れるが、それはこの年、ノーザンファーム空港で育成された牝馬では、最も早い移動ともなった。

 小西厩舎に入厩後も、順調に調整が行われたテトラドラクマは7月のメイクデビュー福島で初戦を迎える。ここでは1番人気を背負いながら9着に破れ、10月に東京で行われた2歳未勝利戦は6番人気まで評価を落としていたものの、後にフェアリーS(G3)を制するプリモシーンとはクビ差からの2着と巻き返す。

 初勝利はデビューから3戦目となる、11月に東京で行われた2歳未勝利戦。2着馬に5馬身差をつけた圧巻のレースだったが、その時に計時した芝1600mの勝ち時計の1分33秒9も、2歳未勝利戦としては非常に優秀な時計でもあった。しかしながら、1番人気に推されたフェアリーS(G3)では再びプリモシーンに先着を許し、6着に敗れてしまう。

 「これまでのレースを見ていても、左回りの方がスムーズに競馬が出来ている印象がありました。その意味でもクイーンC(G3)は条件があっているのではと思っていました」

 そのクイーンC(G3)だが、まさにテトラドラクマの独壇場だった。好スタートから早めに先頭に立つと、馬群を引き連れたまま最後の直線へ。その後も影を踏ませること無く、先頭でゴールを駆け抜ける。

 実はこの勝利はC-6厩舎にとって、記念すべき勝利でもあった。「ノーザンファーム生産馬で中央の重賞を勝ったのは、テトラドラクマが初めてです。それまでは他場の生産馬や、交流重賞は勝ったことがあったのですが、それだけにいつか生産馬で中央の重賞を勝ちたいと思ってきました」

 そのことを、C-6厩舎のスタッフも知っていた。スタッフと共に休憩室で見たクイーンC(G3)。ゴールの瞬間は、大歓声が起こったという。

 「牝馬クラシックに乗せられるような馬を、育成馬から送り出せたのも嬉しいことでした。マイル適性は高いと思いますし、まずは桜花賞(G1)でどんなレースを見せてくれるか楽しみです」

 右回りも左回りも関係ない。テトラドラクマが駆け抜ける未来には数々の栄光と、そしてC-6厩舎スタッフの笑顔が待っている。