2018年01月06日 京都金杯 G3
優勝馬:ブラックムーン
プロフィール
- 生年月日
- 2012年05月02日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:24戦8勝
- 総収得賞金
- 209,638,000円
- 父
- アドマイヤムーン
- 母 (母父)
- ロイヤルアタック by ジェネラス(IRE)
- 馬主
- HimRockRacing
- 生産者
- タバタファーム (門別)
- 調教師
- 西浦 勝一
- 騎手
- 武 豊
1月6日、京都競馬場で行われた第56回京都金杯(G3)は、道中最後方に構えた4番人気ブラックムーンが、3コーナーの下り坂から勢いをつけて大外一気、力でねじ伏せる自慢の末脚を生かして念願の重賞初勝利を飾った。
ブラックムーンは、父アドマイヤムーン、母ロイヤルアタック、母父ジェネラスという血統。スターリングローズ(2002年JBCスプリント(G1)、2002、03年プロキオンS(G3)、2002年シリウスS(G3))やゴールデンジャック(1994年報知杯4歳牝馬特別(G2)、同サンスポ賞4歳牝馬特別(G2))やサイドワインダー(2002年京阪杯(G3)、2003年京都金杯(G3)、2005年関屋記念(G3))などを生産してきた日高町のタバタファームの生産馬。母ロイヤルアタックは金沢競馬場で6戦4勝。北日本新聞杯で重賞勝ちを収めている。昭和42年開場というタバタファームは当初、水田農家とアラブ軽種馬を手掛けていたそうだ。現在は繁殖牝馬20頭を繋養し、本場の他に2か所施設を構えて家族と2名のスタッフとパートスタッフとで丈夫な馬作りに励んでいる。サイドワインダーは生まれ故郷に戻り悠々自適に余生を過ごしている。
重賞レースに出走する時はできるだけ応援に行くというタバタファームの代表田端修さんはこの日も京都競馬場に駆け付けていた。「オーナーや関係者の皆さんと見守っていました。いつものレースより早く前に上がって行ったので良い展開になるかもと思い、4コーナーをまわった時には勝てるかも知れないと言う手ごたえがありました。1着でゴールをきった時にはオーナーとハグをして、関係者と大騒ぎですよ。」喜びに包まれたその場の雰囲気を思い出し、笑みがこぼれる。「オープンでは良い成績が残せるのに重賞に行くと勝ちきれない感じでしたが、今回は上手くはまって6歳で初重賞勝利、嬉しいですね。オーナーに迷惑をかけないように頑張って走って欲しいと期待して送り出した馬だったので本当に良かった。ブラックムーンを大事にして下さるオーナーや関係者の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。」と充実した表情で感謝の言葉を何度も口にした。
牧場で過ごした幼い頃は丈夫で大人しく手のかからない一番楽なタイプだったそうだ。「目立つところは無いのですが馬格がある良い馬で順調に育って行ってくれました。ブラックムーン世代から通年通しての夜間放牧を取り入れ、以前にもまして馬の状態を良く観察するようにしました。血液検査などもまめにしています。それが功を奏したのかはわかりませんが同世代のミツバもマーキュリーC(Jpn3)(中央交流重賞)に勝つなど結果につながって良かったです。とにかく健康で丈夫な馬を作る事にこだわっています。重賞に勝つのはとても難しい事ですが、20頭の繁殖牝馬の産駒の中から出てくれるなんて、恵まれていますね。母のロイヤルアタックはご縁があってうちに来た大人しい馬です。今となっては期待の繁殖牝馬になりました。産駒は種馬の特徴を出しバラエティに富んでいて、性格は母に似て大人しい仔が多いです。オルフェーヴルの仔の出産を3月に控えていますので無事に生まれてほしいですし、どんな仔が生まれてくるのか楽しみです。一生懸命働いてくれる良い牧場スタッフにも恵まれていますのでこれからも丈夫な馬作りに励みます。」
15年前の京都金杯(G3)に勝利したサイドワインダーも見守っている。持ち味の末脚に磨きをかけて臨む次走に注目したい。