重賞ウィナーレポート

2017年12月02日 ステイヤーズS G2

2017年12月02日 中山競馬場 晴 良 芝 3600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アルバート

プロフィール

生年月日
2011年02月07日 06歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:27戦9勝
総収得賞金
401,394,000円
アドマイヤドン
母 (母父)
フォルクローレ  by  ダンスインザダーク
馬主
林 正道
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
堀 宣行
騎手
R.ムーア

 日本競馬ではまだ、10頭しか達成していない同一重賞の3連覇。その歴史に今年のステイヤーズS(G2)を勝利したアルバートも、その10頭の中に名前を刻み込むこととなった。

 「アルバート自身の競走能力だけでなく、戦っていくメンバーや世代も変わっていく中での記録ですし、簡単に達成できないことだと思います」と話すのはノーザンファーム早来の林宏樹調教主任。過去2回のステイヤーズS(G2)制覇は全てムーア騎手とのコンビとなったが、今年のレースが一番強かったのではとも振り返る。

 「一昨年に優勝した時(3分45秒9)との比較でも、今回は時計(3分43秒0)も縮めましたし、レース内容的にも申し分なかったですね」

 この偉業を支えたのは、他でもなく林調教主任とも言えよう。夏の休養の度にノーザンファーム早来で調整されてきたアルバートに騎乗し、背中越しに状態を確かめながら管理を続けてきた。

 「レコード決着となった天皇賞(春)(G1)の反動もあったのか、戻ってきたときはこれまでで一番疲れていました。十分な休みを取った後に乗り出しを始めたのですが、それでもしばらくは身体の堅さが取れなかったですね」

 レースを使いながら調子を上げていくアルバートだけに、目標とするステイヤーズS(G2)のためには、数か月前には厩舎に戻す必要があった。管理をする堀宣行調教師が牧場に様子を確かめに来るとの話を聞きつけたかのように、アルバートの調子は上向きとなっていく。

 「堀先生に馬をお見せした辺りからメキメキと良化していき、入厩後も森助手から『具合はいいですよ』との報告を受けていました。オールカマー(G2)こそ破れはしましたが、その後も状態を上げていったと聞いていましたし、この条件なら国内で敵はいないと思いながらレースを見ていました」

 最後の直線、先に抜け出したフェイムゲームをあっさりと交わし去り、2馬身半差を付ける快勝。まさに敵無しの強さを見せたアルバートであるが、林調教主任は管理をする堀調教師や厩舎のスタッフ、そしてオーナーである林正道氏に感謝の言葉を向ける。

 「堀先生やスタッフの皆さん、そして、林オーナーがアルバートを大事にしてくださっているからこそ、この記録は達成できたのだと思います。レースぶりからしても年齢を感じさせないどころか、更に強くなっている印象を受けますし、悲願としているG1タイトルだけでなく、同一重賞の4連覇、いや、それ以上の記録更新もできるのではないかという気もしています」

 来年の今頃にも、林調教主任からはアルバートに対する、4度目となる喜びの声を聞かせてもらえるのかも知れない。