重賞ウィナーレポート

2017年11月11日 武蔵野S G3

2017年11月11日 東京競馬場 晴 良 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:インカンテーション

プロフィール

生年月日
2010年03月24日 07歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:30戦11勝
総収得賞金
434,679,000円
シニスターミニスター(USA)
母 (母父)
オリジナルスピン(IRE)  by  Machiavellian(USA)
馬主
(有) ターフ・スポート
生産者
谷川牧場 (浦河)
調教師
羽月 友彦
騎手
三浦 皇成

 ダート界の強豪が集う「第22回東京中日スポーツ杯武蔵野S(G3)」は11月11日、晴れ、良馬場の東京競馬場で行われ、先行策を取った浦河町の谷川牧場生産インカンテーションが、最後の直線であっさりと抜け出して優勝。10月の白山大賞典(Jpn3)に続いて重賞2連勝。通算6つめのビッグタイトルを手中にした。

 牧場テレビで応援していたという谷川寿郎専務は「テレビの画面越しではありましたが、パドックをゆったりと大きな歩様で歩く姿を見て、状態はとても良いように見えました。春のマーチS(G3)、白山大賞典(Jpn3)の内容からスタートでミスさえしなければという思いはありましたが、今回は三浦騎手が上手にレースをしてくれたなという印象です」と冷静にレースを振り返った。追い込み脚質のベストウォーリアが逃げるという意外な展開の中で、スローペースの2番手でしっかりと折り合った同馬は、最後の直線で早めに抜け出して後続の追撃を封じ込んだ。

 「春のかしわ記念(Jpn1)のあと、軽度な脚部不安を発症させたので宇治田原優駿ステーブルでリフレッシュを兼ねて休ませたと聞いていますが、羽月厩舎の手厚いケアもあって秋2戦はとても良い状態でレースを重ねているように見えます。嬉しいです」と感謝の言葉を続けた。

 母オリジナルスピンは英国タタソールズ社の繁殖セールで購入した。曾祖母のタイムチャーターは1982年の英オークス馬。1番人気に支持された83年の凱旋門賞(G1)こそ約1馬身差の4着に敗れたが、この年はキングジョージⅥ&クインエリザベスS(G1)に勝つなど全欧古牝馬チャンピオンにも選出されている。こうした血統背景にほれ込んだ谷川貴英社長が「手に入れようと思っても手に入らない血統です。競り落とせたのはラッキーでした」と振りかえったように期待の大きな繁殖牝馬だ。

 「インカンテーションが生まれる前年にオリジナルスピンが体調を崩したので、新しい気持ちでと新種牡馬の中から選んだのがシニスターミニスターです。生まれたときからラインのきれいな馬で、乗り運動を始めてからは、その乗り味の良さから騎乗スタッフの人気ものでした。これまで何度も大きなケガをしながら、そのたびに立ち直ってここまで頑張ってくれた馬です。(これまでに2着が2度ある)G1/Jpn1タイトルは取って欲しい気持ちはありますが、とにかく無事に走り続けて欲しいと思っています。