2017年11月04日 京王杯2歳S G2
優勝馬:タワーオブロンドン
プロフィール
- 生年月日
- 2015年02月09日 02歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:4戦3勝
- 総収得賞金
- 407,550,000円
- 父
- Raven's Pass(USA)
- 母 (母父)
- スノーパイン(GB) by Dalakhani(IRE)
- 馬主
- H.H.シェイク・モハメド
- 生産者
- ダーレー・ジャパン・ファーム有限会社 (門別)
- 調教師
- 藤沢 和雄
- 騎手
- C.ルメール
暮れの2歳チャンピオンを目指す若駒たちの前哨戦としても知られる伝統の一戦、京王杯2歳ステークス(G2)が11月4日(土)に東京競馬場で行われ、単勝1.8倍の圧倒的な一番人気に支持されたタワーオブロンドンが中団待機策から上り最速となる33.2の豪脚で、2着カシアス以下を並ぶ間もなく差し切り2馬身差をつける快勝。ききょうSに続く連勝で重賞初勝利を挙げ、本番に向けて堂々のパフォーマンスを披露した。
タワーオブロンドンは日高町のダーレー・ジャパン・ファーム生産。父はクイーンエリザベス2世S(G1)に勝ち、欧州調教馬として2頭目となるBCクラシック(G1)を制したレイヴンズパス。母はフランスで2勝を挙げたスノーパイン。母の半姉エルメスティアラは皐月賞馬ディーマジェスティの母でもあり、日本にも馴染み深い母系の出身だ。
タワーオブロンドンの幼少時を知る福原博繁殖マネージャーに当歳時の同馬について伺うと「母のスノーパインが日本に輸入された際にお腹にいたのが今のタワーオブロンドンなんです。初仔ということもあってか当歳時はやや小さめだったのですが、ゴロンとして幅もあり、お父さんの方に似た仔が産まれたなと思いました。お母さんもそうでしたが、気性は素直で扱いやすく、手の掛からない子でしたね」
やがて当歳の秋に離乳を迎え、母スノーパインは後に半妹となるキングズベストの牝馬をお腹に宿してアイルランドに帰国。一方でタワーオブロンドンはここから急激な成長を遂げたという。
「当歳の春から年間通して夜間放牧を行っているのですが、離乳後からグングン成長していき、あっという間に同期のグループの中でも大きい方になりました。とにかく産まれた時から育成に入るまでの間、大きなトラブルもなく順調に過ごすことができたのは何よりです」と当時を振り返る福原マネージャー。その後1歳秋からは同じく日高町内にある育成部門に移動。
育成時を担当した三宅公彦育成マネージャーは「去年日高町内にダーレーの育成場が開場し、タワーオブロンドンの世代が初めての育成馬となるんです。初年度から重賞勝ち馬を送り出すことができたので嬉しい限りです」そう言いながら安堵の表情を浮かべる三宅育成マネージャーだったが、育成時の様子を伺うとここでも優等生ぶりを発揮していたそうだ。
「育成に来てからも人に従順で扱いやすく、スムーズに進めることができました。時として気持ちが入って行きたがる面を見せるなどもありましたが、父もマイルのG1を制したスピード馬ですし、それが競馬でも良い方に出ているのかもしれませんね」
デビュー以来一貫して手綱を取り、すっかり名パートナーとして定着したルメール騎手だが、実は1歳時のタワーオブロンドンに対面していたという。その時のことについて福原繁殖マネージャーは「去年の夏にルメール騎手が来場した際に育成前の1歳馬を見学したのですが、その時がジョッキーとタワーオブロンドンの初対面だったんです。今こうして主戦で重賞を勝ってくれることにとても縁を感じています」と感慨深そうに当時を振り返っていた。
重賞制覇を成し遂げたタワーオブロンドンだが、今後は更なる大仕事が控えている。三宅育成マネージャーに同馬に対する今後の期待のほどを伺うと「父似の体型でマイラー色の強さを感じますが、父は2000mのBCクラシック(G1)を勝ちましたし、同様に距離の壁を破っていって欲しい、それができる馬だと期待しています」と力強い答えが返ってきた。
次走は大一番、朝日杯FS(G1)にルメール騎手とのコンビで臨む予定のタワーオブロンドン。自身初のG1タイトル挑戦は、ダーレー・ジャパン・ファーム悲願のJRAG1制覇へのカウントダウンとなるのだろうか。