2017年09月03日 新潟記念 G3
優勝馬:タツゴウゲキ
プロフィール
- 生年月日
- 2012年04月21日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:18戦5勝
- 総収得賞金
- 126,830,000円
- 母 (母父)
- ニシノプルメリア by Singspiel(IRE)
- 馬主
- 鈴木 高幸
- 生産者
- 川上牧場 (新冠)
- 調教師
- 鮫島 一歩
- 騎手
- 秋山 真一郎
夏競馬のフィナーレとなる芝のハンデ重賞、第53回新潟記念(G3)が9月3日、新潟競馬場で行われ、単勝6番人気の伏兵タツゴウゲキが2番手追走から直線で抜け出して優勝。ゴール前猛然と迫る1番人気のアストラエンブレムをクビ差凌ぎ切って優勝。前走の小倉記念(G3)に続く連勝で自身2つ目の重賞制覇を成し遂げるとともに、今年で12回目を迎えるサマー2000シリーズのチャンピオンに輝いた。
タツゴウゲキは宝塚記念(G1)を制したマーベラスサンデーの種牡馬生活晩年の産駒として2012年4月21日に新冠町の川上牧場で誕生。1歳秋まで生まれ育った同牧場で過ごした同馬は、その後本格的な育成を行うために新冠町のクラックステーブルへ移動した。
クラックステーブルは2011年に開業したばかりの歴史の浅い牧場だが、育成馬と生産馬合わせて100頭を超す大所帯で、今年からは新たにスタリオン事業もスタート。エキストラエンド、スターリングローズ、カキツバタロイヤルに加えて先日はストーミングホームも入厩。育成馬のJRAの重賞勝利は、タツゴウゲキが初めてだったそうだ。
クラックステーブルの村上進治代表に育成時のタツゴウゲキについて話を伺うと「来た当初は体質が弱くて、ひとつのステップをクリアしたと思ってもすぐ疲れが出たり、体が減ったりの繰り返しでした。でも自分が実際に跨ってみると、案外いい背中をしていて走りにもセンスを感じさせるので密かに期待はしていたんです。結局うちには1年ほどいたのかな?少しずつ良くなってきたかなという感触も出てきたところで鮫島先生にバトンタッチしました」
そんなタツゴウゲキがやっとデビューを迎えたのは新馬戦はおろかダービーも終了した3歳の6月。デビューから3戦は2ケタ着順と苦難の道が続いたが、未勝利戦も終了した11月に500万下条件戦で念願の初勝利。さらに2勝目を挙げたのは1年後となる4歳の11月、村上代表はこの時点でもさすがに重賞を勝つまでに成長するとは想像してなかったそうだ。「競馬場に行ってからのタツゴウゲキはテレビ越しにしか見ていませんでしたが、今こうして本格化を迎えることができたのは鮫島先生をはじめ、厩舎スタッフの方々のケアの賜物だと思っています。自分も独立して育成牧場を始めて6年になりますが、タツゴウゲキが育成馬として初めてのJRA重賞勝ち馬だったんです。開業当時から一貫して個々の馬に合わせた育成方針をとっていたのですが、自身の信念とコンセプトが正しいことを証明してもらえることができたので、自分はもちろんスタッフにも大きな自信となりましたし、本当に嬉しい限りです」とタツゴウゲキの活躍ぶりに目を細めていた。
この秋さらなる飛躍が期待されるタツゴウゲキだが、新潟記念(G3)後は激戦の疲れを癒すために休養中だという。遅咲きのサクセスストーリーの主役となるべく、復帰後は更なる大舞台での活躍を期待したい。