2017年09月02日 札幌2歳S G3
優勝馬:ロックディスタウン
プロフィール
- 生年月日
- 2015年02月15日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:2戦2勝
- 総収得賞金
- 38,497,000円
- 父
- オルフェーヴル
- 母 (母父)
- ストレイキャット by Storm Cat(USA)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- (有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
- 調教師
- 二ノ宮 敬宇
- 騎手
- C.ルメール
オルフェーヴル産駒として、初めての重賞制覇を飾ったロックディスタウン。ロックディスタウンだけでなく、オルフェーヴルも生産した白老ファームの石垣節雄繁殖主任は、その瞬間を牧場スタッフと共に札幌競馬場で見守っていた。
「メイクデビュー新潟のレースを見た時に、ひょっとしたらとんでもない馬になるのではとの期待はありましたが、今回はコースだけで無く、時計のかかる馬場での競馬となりましたし、どういったレースを見せてくれるのだろうかとの気持ちの方が大きかったですね」と石垣繁殖主任は話す。そのメイクデビュー新潟だが、単勝1.9倍という圧倒的な支持に推されたロックディスタウンは、最後の直線で馬場の真ん中に進路を取ると、一歩一歩先行勢との差を詰めていき、最後は図ったかのように前を行く馬を捕らえて優勝。上がり3ハロン最速となる32秒5の時計を記録しながらも、全くぶれない走りだけでなく、直線を過ぎてもまだ余力さえ感じさせるような脚色まで、2歳馬離れしたスケールの違いを感じさせた。
しかし、札幌2歳ステークス(G3)は同じ芝1800mと言えども馬場は洋芝。しかも開催の最終週ということもあり、芝の勝ち時計を見ても、この馬場をこなせるパワーも必要とされていることは明らかだった。
それでも、ファンはロックディスタウンを単勝1番人気に支持し、そして石垣繁殖主任もまた、その応援にロックディスタウンが応えてくれるはずとの思いを持っていた。
「牧場にいた頃から高い能力を持った馬だと思っていました。馬体の印象など似たイメージがあったのが半姉のキャットコインなのですが、父がステイゴールドからオルフェーヴルに変わったこともあるのか、より馬体は大きく、動きもパワフルでしたし、何よりも精神面も牡馬のようにどっしりしていたのも好印象を持っていました」
その意味ではまさに男勝りのレースともなった。馬場適性など関係ないかのように、中団から先行勢を射程圏内に置く位置でレースを進めたロックディスタウンは、折り合いも問題なく、3コーナーから始動を開始する。最後の直線では力強く地面を捕らえながら先頭に踊り出ると、後続の追撃も問題なく先頭でゴール板を駆け抜けた。札幌2歳ステークス(G3)における牝馬の優勝は、13年の優勝馬であるレッドリヴェール以来4年ぶりのこととなる。
「直線を向いた時には、あの位置取りなら前を交わせるとの自信がありました。条件が違っても勝てるのは能力の高さだと言えますし、何よりもオルフェーヴル産駒では最初の重賞勝ち馬が、白老ファーム生産馬であったこともまた嬉しかったですね」
4年前にこのレースを制したレッドリヴェールは、その年の阪神JF(G1)を優勝。レース内容も含めて、ロックディスタウンもまた、G1級の能力を持った馬であることは間違いなさそうだ。
「2歳の夏からこれだけのレースをしてくれたことで、今後の夢が膨らみます。今後も無事に成長して欲しいですし、ゆくゆくはオルフェーヴルのようなスケールの大きい競走馬となってもらいたいです」
父オルフェーヴルは三冠クラシック制覇を含めG1を6勝。だが、凱旋門賞(G1)では2度に渡って2着に敗れている。その父の無念を晴らしてくれるのは、ひょっとしたらオルフェーヴルの娘であるロックディスタウンなのでは、という気もしてきた。