重賞ウィナーレポート

2017年06月18日 高知優駿(DS2017)

2017年06月18日 高知競馬場 晴 良 ダ 1900m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:フリビオン

プロフィール

生年月日
2014年04月12日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:15戦11勝
総収得賞金
27,413,000円
フリオーソ
母 (母父)
ビオンディーナ  by  エンドスウィープ(USA)
馬主
西森 鶴
生産者
オリエント牧場 (新冠)
調教師
炭田 健二
騎手
中西 達也
  • フリビオンの半弟(牡1歳、父ロジユニヴァース)
    フリビオンの半弟(牡1歳、父ロジユニヴァース)
  • 同期の1歳馬たちと仲良く放牧地を駆けまわる
    同期の1歳馬たちと仲良く放牧地を駆けまわる
  • オリエント牧場の放牧地
    オリエント牧場の放牧地
  • オリエント牧場の厩舎
    オリエント牧場の厩舎
  • オリエント牧場の看板
    オリエント牧場の看板

 今年から新たに「ダービーシリーズ」に組み込まれた「高知優駿(高知)」は、1番人気フリビオンが5馬身差の圧勝。道中は中団の後方でじっくりと脚を溜め、2周目の3~4コーナーで一気に前との差を詰めると、直線ではグイグイ伸びて後続を引き離す横綱相撲。4つ目の重賞勝利を成し遂げるとともに、黒潮皐月賞に次ぐ高知二冠を達成した。

 フリビオンの生まれ故郷は、新冠町のサラブレッド銀座に牧場を構えるオリエント牧場。2000年のクラシック戦線で活躍し、2003年の中山金杯(G3)を6歳で制したトーホウシデンや、2010年の札幌2歳ステークス(G3)優勝馬オールアズワン、2012年の函館2歳ステークス(G3)に勝った芦毛馬ストークアンドレイなどの活躍馬をコンスタントに生産。現在はご家族とスタッフ2名で、20頭の繁殖牝馬とその仔たちを管理している。

 「うちの牧場は高知競馬と相性が良くて、2000年のオオギリセイコー、2006年のラインフォーク、2007年のスパイナルコードに次いで、高知のダービー馬となったのがフリビオンで4頭目なんです。やはり何度経験しても、ダービーは嬉しいですね。今回も道中はポジションが後ろすぎるかなと思いましたが、最後は必ず良い脚を使ってくれるので、安心して観ていられました」と話すのは、同牧場の専務取締役・中川譲さん。他地区から遠征してきた馬との力関係は分からないものの、地元馬同士では絶対に負けない自信があったそうだ。

 フリビオンが牧場で過ごした時期について伺うと、「生まれた当時から馬は良かったですね。性格は母親に似て気の強い部分もありました。その後も順調に成長し、自信を持って1歳夏のサマーセールに上場したのですが、希望価格では売れずに再上場でオーナーが決まったんです。結果的に昔からお世話になっている西森鶴さんにご購入いただき、フリビオンにとっても良かったと思います」と幼少期からオーナーが決まるまでの経緯を話してくれた。

 フリビオンはフリオーソの初年度産駒にあたる。その交配理由について、「スタリオンの展示会で新種牡馬として紹介されるフリオーソを見たのですが、いかにも産駒が走りそうな雰囲気を持っていて、種付料もリーズナブルだったので交配することに決めました。昨年デビューしたフリオーソの初年度産駒たちは、フリビオン以外も中央・地方でよく走っていますし、あの時に展示会で感じたことが間違っていなくて嬉しいです」と笑顔を見せる。

 牧場には現在、フリビオンの半弟(牡1歳、父ロジユニヴァース)が健やかに育っており、同期の馬たちと仲良く放牧地を駆けまわっている。そしてフリビオンの1歳下の半弟ディーエスソアラー(牡2歳、父スターリングローズ)は今年5月に門別競馬場でデビューを果たし、6月のJRA認定アタックチャレンジ競走で初勝利を挙げ、クラスが上がったオープンでも2戦つづけて2着と健闘を見せている。「現2歳のディーエスソアラーは、レベルの高いホッカイドウ競馬の2歳戦で好勝負ができているので、将来が期待できそうですね。現1歳の半弟も馬格があって良い雰囲気を持っており、ディーエスソアラーと同じオーナーの所有馬として競馬をすることが決まっています」と弟たちを紹介。中川さんも、兄フリビオンにつづく弟たちの目覚ましい活躍に夢を膨らませている。

 「フリビオンはレースを重ねるごとに強くなっている印象がありますし、現時点で南関東や他地区の同期の馬たちとどれぐらいやれるか、その力関係を見てみたい気持ちはあります。まずは10月の黒潮菊花賞で高知三冠を達成し、ダービーグランプリへ駒を進めてくれると嬉しいですね。そして古馬になってからも長く活躍してくれることを願っています」と愛馬にエールを送る中川さん。G1(Jpn1)競走を6勝し、2歳から8歳まで長く活躍した地方競馬の英雄フリオーソ。その血を受け継ぐフリビオンが、どこまで成長してどれだけ強くなっていくか。高知競馬から目が離せなくなる要素が、またひとつ増えたようだ。