2017年05月28日 九州ダービー栄城賞(DS2017)
優勝馬:スーパーマックス
プロフィール
- 生年月日
- 2014年02月22日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:9戦7勝
- 総収得賞金
- 29,100,000円
- 父
- リーチザクラウン
- 母 (母父)
- レヴェトン(USA) by Malibu Moon(USA)
- 馬主
- 内田 勝士
- 生産者
- 荒谷 輝和 (静内)
- 調教師
- 九日 俊光
- 騎手
- 鮫島 克也
全国8か所の地方競馬ダービーが対象となる「ダービーシリーズ2017」。その皮切りレースとなる「九州ダービー栄城賞(佐賀)」を、1番人気に応えてスーパーマックスが優勝。道中はハナを切ってレースを引っ張ったものの、3~4コーナーで2番人気オヒナサマに交わされ、直線入口では差を広げられる展開に。しかし諦めずに前を追いかけ、ゴール前で差し替えして先頭ゴールイン。2歳時から数えて4つ目の重賞勝ちを、見事にダービーの大舞台で飾った。
スーパーマックスの生産者は、新ひだか町静内西川に牧場を構える荒谷輝和さん。父・英俊さんの時代には1992年の船橋記念(当時はアングロアラブ系の1800mハンデ重賞)を制したスーパークリスなどの活躍馬がいたが、輝和さんの代となってからはスーパーマックスが初の重賞馬。もちろん“ダービー”のタイトルも初の獲得となる。「1番人気になっていたので期待はしていましたが、2000mの距離も良馬場でのレースも初めてでしたからね。直線で離されたときには正直、諦めましたよ(笑)。よくあそこから差し返えしてくれたと思います。ゴールした瞬間は、本当に嬉しかったです」とレースを振り返る荒谷さん。ご家族だけで11頭の繁殖牝馬とその仔たちの世話をする忙しい毎日を送っているが、スーパーマックスの走るレースは牧場作業の手を休め、テレビの前で声援を送っているという。
スーパーマックスが牧場で過ごした時期について伺うと、「兄姉と比べても馬体は大きかったですね。当歳の10月までしか牧場にいなかったんですが、幼少期から素直な性格で手のかからない馬でした」と幼少期を振り返る。
スーパーマックスは、リーチザクラウンの初年度産駒にあたる。「私がもともと社台ファームにいたのですが、実家の牧場を継ぐために退社することになった年、デビュー前のリーチザクラウンに調教で跨らせてもらったんです。そのしなやかな背中の感触が強烈な印象として残っていましたので、種牡馬となった初年度にすぐ配合を申し込みました」と、交配理由についても教えてくれた。リーチザクラウン産駒の初年度血統登録頭数は34頭だが、その約半数の16頭が勝ち上がり(2017年7月末現在)、今年1月にはキョウヘイがシンザン記念(G3)を制して中央重賞勝利も成し遂げている。また昨年秋には、当初繋養されていたアロースタッドから社台スタリオンステーションへ電撃移籍して馬産地の話題を独占。競走馬としてはG1タイトルに手が届かなかったが、その良血をバックボーンとして異彩を放ちつづけている期待の種牡馬だ。
現在牧場には、スーパーマックスの半弟(牡1歳、父パドトロワ)と半妹(牝当歳、父グランデッツァ)が健やかに育っている。そして現2歳の半妹ザワールド(牝2歳、父シルポート)は今年5月に兄と同じ佐賀競馬でデビューし、現在のところ負けなしの2連勝中だ。「リーチザクラウン、シルポート、パドトロワ、グランデッツァと、未知の可能性に懸けて積極的に新種牡馬を交配するようにしています。どの種牡馬から大物が出るか分かりませんからね。そういう意味でリーチザクラウンは、まさに“当たり”の種牡馬だったと言えますね」と笑顔を浮かべる荒谷さん。スーパーマックスの活躍を受け、弟妹たちに対する期待も日に日に膨らんできているようだ。
「一時は南関東へも移籍しましたし、連勝あり、大差勝ちあり、落馬競走中止ありと波乱万丈な競走生活を送っていますが、これからも無事に長く活躍してほしいですね。遠い北海道から応援しています」とスーパーマックスにエールを送る荒谷さん。九州のダービー馬として全国に羽ばたき、父リーチザクラウンの種牡馬としての価値をさらに高めてくれる活躍に期待しよう。