2017年07月12日 ジャパンDダービー(中央交流) Jpn1
優勝馬:ヒガシウィルウィン
プロフィール
- 生年月日
- 2014年03月30日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:14戦7勝
- 総収得賞金
- 229,335,000円
- 母 (母父)
- プリモタイム by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- (株) MMC
- 生産者
- グランド牧場 (静内)
- 調教師
- 佐藤 賢二
- 騎手
- 本田 正重
ダートの3歳日本一を決める「第19回ジャパンダートダービー(Jpn1)」は7月12日、中央地方の精鋭14頭(JRA7頭、南関東5頭、名古屋2頭)によって東京の大井競馬場で行われた。勝ったのは、新ひだか町のグランド牧場生産で5番人気のヒガシウィルウィン。激しくなった先手争いを5~6番手の好位インでじっと力を溜め、最後の直線で末脚を炸裂。残り200mからは5頭による先頭争いとなったが、その中から一完歩ごとに力強く脚を伸ばして最後は先に抜け出したサンライズソアをクビ差抑えて先頭ゴールインを果たしている。2着から6着までJRA所属馬が占めるなか、地方競馬所属馬としては、2010年のマグニフィカ以来7年ぶり、史上5頭目の優勝となった。
グランド牧場は1927年創業。北海道内に3つの繁殖、中期育成牧場を持つほか、北海道と岩手県に構える2つの育成牧場で強い馬づくりに励み、その歴史の中でスズカマンボ(天皇賞(春)(G1))サンビスタ(チャンピオンズカップ(G1))ラブミーチャン(NARグランプリ年度代表馬)などを送り出している。
大井競馬場で愛馬の優勝に立ち会った伊藤佳幸社長は「(2着馬に6馬身の差をつけた)東京ダービーのレース内容から、ある程度はやってくれると思っていましたが、パドックで一緒に歩いているのを見ていたら、上位人気に推されている馬は大きくて力強い馬ばかり。どこまで通用するかな」とやや弱気にもなったそうだ。
ところが、ケガのために主戦ジョッキーから本田正重騎手に乗り替わった愛馬は、良い意味でその思いを裏切ってくれた。4コーナーで狭いところをこじ開けるようにして直線に向くと、最後の末脚に結びつけた。
「それだけに、さすがゴール前は力が入りました」と笑顔。先頭でゴールを駆け抜けた瞬間は「嬉しい。そのひと言です」。「チャレンジャーの立場で、強い馬を負かすのが好き」だという同社長にとって、会心の勝利となったようだ
ヒガシウィルウィンは、北海道市場サマーセールの取引馬だ。「産まれたときから牧場の中では評価の高い馬でした」。ただし、多くのサウスヴィグラス産駒がそうであったようにやや背が低いタイプだったそうだ。「セールではホッカイドウ競馬の角川秀樹調教師が高く評価してくださり、馬主の方に勧めてくれたと聞きました」とのこと。母プリモタイムの半妹に、角川厩舎所属でエーデルワイス賞(Jpn3)、北海道2歳優駿(Jpn3)と2つのダートグレード競走を制したタイニーダンサーがいることも決め手になったのかもしれないが「キハクの仔はレーザーズエッジ(ダイヤモンドS(Jpn3)3着)ホウザン(北海道2歳優駿(Jpn3)2着、札幌2歳S(Jpn3)3着)やブンブイチドウ(全日本2歳優駿(Jpn1)2着、羽田盃3着)イチリュウ(浦和桜花賞)など本当に高いレベルで堅実に走ってくれます。ヒガシウィルウィンの6代母にあたるテラオタイムからグランド牧場で育んできた血統ということも嬉しいです」とまた笑顔。
ジャパンダートダービー(Jpn1)のあとは熱い夏を避けるように北海道のグランド牧場へ休養に戻っている。「本当によく頑張ってくれました。秋にはまた強い馬との競馬が待っているだけに、ひとまわり大きくして戻したい」と更なる成長に期待している。